【製薬企業オウンドメディア担当者向け】サイト立ち上げ~運用までのポイントまとめ

【製薬企業オウンドメディア担当者向け】サイト立ち上げ~運用までのポイントまとめ

コンセプトの構築、KPIなど目標の設定、SEO対策、ユーザーに読まれるコンテンツ制作など、オウンドメディアを立ち上げ、運用するためには意識や工夫をすべき要点が多くあります。本記事では、患者向け疾患啓発サイトや医療従事者向けサイトをはじめとした製薬企業のオウンドメディア担当者に向けて、サイト構築~運営までのポイントやヒントをまとめます。

1. オウンドメディア立ち上げ時(戦略作り・目標設定)

製薬企業が制作するオウンドメディアは、3種類に大きく分けられます。一つは企業情報などを掲載したコーポレートサイト、もう一つは医師や看護師などに向けて製品の紹介やお役立ち情報を掲載する医療従事者向けサイト、最後の一つは、患者さんに向けて疾患啓発などを行う患者さん向けサイトです。
サイトごとにドメインを分けて独立したオウンドメディアとして展開・運営する製薬企業もあれば、コーポレートサイトの中に医療従事者向けページを作り情報を展開する製薬企業もあります。いずれの場合でも、オウンドメディアを立ち上げる際には、まずは戦略作りや目標設定が必要となります。

オウンドメディアの方向性を決める「コンセプト」設計

誰をターゲットにし、サイトに訪れたターゲットにどんな情報を提供し、最終的にターゲットにどのようなサイトとして認識してもらいたいか。どのような価値を提供していくのか。
このようなコンセプト設計は、オウンドメディアを構築する上で非常に大切です。このコンセプトがぶれてしまうと、不必要なコンテンツを制作してしまったり、UX/UI設計が適切に行えなかったりとデザイン面、コンテンツ面に支障が生まれる可能性が高まります。
オウンドメディアのコンセプト設計の方法については、以下の記事をチェックしてみてください。

ブランドストーリーを設定して製薬業界で差別化を図る

製薬企業のオウンドメディアの課題の一つが、他社メディアとの差別化です。多くの製薬企業が医療従事者向け、患者向けのオウンドメディアを展開していることもあり、認知拡大や集客増加のためには、ユーザーに自社のオウンドメディアに価値を見出してもらえるよう差別化をする必要があります。その方法の一つが、ブランドストーリーを設定することです。
ブランドストーリーは、オウンドメディアのプロモーションにも、医薬品マーケティングにも欠かせない要素です。

また、ブランディングはオウンドメディアのファンを増やすためにも重要です。そのオウンドメディアが「なぜ存在するのか」を発信する「パーパス・ブランディング」に注力することで、サイトの支持者を増やすことにつながります。

適切なKPI設定でオウンドメディアのPDCAサイクルを構築

オウンドメディアを立ち上げる際には、サイトが目標とする数値を設定する必要があります。一般的なオウンドメディアはPV数やUU数の目標数値を設定するほか、ECサイトなどは商品購入数を目標数値に掲げて運用を行います。このKPIなど目標指標と数値を適切に設定することで、KGI達成のための道しるべができ、サイトのPDCAサイクルを適切に回していくことにつながります。

以下の記事では、製薬企業のオウンドメディアとして代表的な医療従事者向けサイト、疾患啓発サイトの2サイトについてKPI設定方法を解説しています。

医療に関連するサイトならではのSEO対策を知る

特に疾患啓発サイトは、ターゲットである患者やその家族にオウンドメディアを知ってもらう必要がありますが、ターゲットとのタッチポイントが少ないため認知につなげづらいという課題があります。その際に有効となるのが、SEOです。適切にSEO対策を行うことで、Googleなどでターゲットが疾患について検索した際に、検索上位にオウンドメディアが表示される可能性が高まります。ターゲットの目に触れる機会が多くなり、認知拡大につながります。

また、Googleの検索エンジンのアルゴリズムでは、医療関連のサイト構築時に注意すべき「E-A-T」という指標が設定されています。E-A-Tの詳細や、製薬企業のオウンドメディアがSEO対策をする際に考慮すべきポイントのほか、SEO対策やUX向上に必要な指標となる「コアウェブバイタル」に関する情報は以下の記事からご確認いただけます。

SEOを考慮したHTMLを設定する

オウンドメディア構築時のhtmlの設定は、SEOにも影響を与えます。実際のhtmlの設定を含むコーディングはコーダーなどが行いますが、例えば各ページのdescriptionやkeywordsなどの各タグに設定する文字はオウンドメディア担当者もチェックする必要があります。

以下の記事では、クローラーに適切にオウンドメディアを認識させ検索上位に表示させるためのhtmlのポイントを、初心者にも分かりやすく解説しています。

2. オウンドメディアの分析方法

オウンドメディアを成長させていくためには、状況や課題を分析し、改善し、効果検証していくPDCAサイクルを回すことが非常に重要です。Medinewでは、Googleの公式ツールを使用して製薬企業のオウンドメディアの分析をサポートする方法を紹介しています。

Googleアナリティクス・Googleサーチコンソールでオウンドメディアの状況を分析

GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールは、多くの製薬企業のオウンドメディアに導入されているGoogleが提供する分析ツールです。

オウンドメディアの改善を考える際には、まずはGoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールから、現状のサイトの状態を数値でチェックすることは欠かせません。Googleアナリティクスでは、PVやUUといった数値だけでなく、ユーザーはサイトにどこから流入しているのか(流入元)、どのコンテンツがどのくらいの時間見られているのか(平均滞在時間)、どこでユーザーが離脱しているのか(直帰率・離脱率)、といった指標をサイト内のページごとに分析可能です。
一方Googleサーチコンソールは、検索エンジンでの検索結果上の自社サイトのパフォーマンスを計測できます。

基本的なGoogleアナリティクス・Googleサーチコンソールの基本的な使い方は、以下の記事で解説しています。

Googleタグマネージャーでオウンドメディアの熟読率を調べる

Googleアナリティクスでは算出できないコンテンツの「熟読率」を、Googleタグマネージャーを使って調べることができます。熟読率は「そのページがどれだけじっくり読まれたか」を知ることができる指標で、ユーザーにとってのページの「質」を測れます。

Googleタグマネージャーは、Googleが提供する無料で利用できるツールで、計測タグや広告タグを管理できます。Googleタグマネージャーをオウンドメディアに導入し、熟読率を図るためのタグを設定することで、サイト内のページごとの熟読率を算出できるようになります。 タグの設定方法は、以下の記事で解説しています。

CVにつなげるためのポイント「CTA」改善を検討する

オウンドメディアの運営にあたって重要な指標となる、コンバージョン(CV)率を上げるための施策として、CTAの見直し・改善が挙げられます。CTAとは「Call To Action」の略で「行動喚起」を意味し、オウンドメディア上に掲示されるボタンやテキスト、画像などが該当します。

資料請求をする、会員登録をする、などのCVへと誘導するためのCTAが適切かどうか、基本的な知識や改善のポイントを以下の記事で解説しています。

3. ユーザーが求めるコンテンツを提供するために

製薬企業のオウンドメディアがユーザーに価値ある情報を提供するためには、サイト内のコンテンツがもっとも重要です。いくらコンセプトやKPIの設定をしても、いくらGoogleアナリティクスなどでサイトを分析しても、中身であるコンテンツがユーザーにとって適したものでなければ、オウンドメディアが成長していくことはありません。最後に、コンテンツ制作のための3つのヒントを紹介します。

キーワードプランナーで患者が検索しているキーワードを掴む

SEO対策をしているはずなのに、なかなかサイトが検索上位に上がってこないといった場合には、オウンドメディアのコンテンツで扱っているキーワード自体がターゲットにマッチしていない可能性が考えられます。コンテンツ制作の前にはまず、ターゲットである患者やその家族が検索しうるであろうキーワードを把握しましょう。ターゲットが検索するキーワードを知ることで、ターゲットがどんな情報を求めているのかも同時に見えてきます。

以下の記事では、Googleが提供しているサービス「キーワードプランナー」を活用したキーワード選出方法を解説しています。

ユーザーに沿ったワードを選出するためには

医療・製薬関連の情報は、専門知識をもつ医療従事者には理解できても、専門知識のない患者にとっては難解な場合が往々にしてあります。特に疾患啓発サイトではターゲットが専門的な医療知識を持たない患者であるため、役に立つ情報がサイト内に掲載されていても、難解な表現でユーザーが離脱してしまう場合も。専門用語など難しい言葉は、誰が読んでも理解できるように表現方法を工夫する必要があります。

具体的にどのようにすべきか、そのヒントは以下の記事で紹介しています。

シーズナリティのあるコンテンツでユーザーの興味を引く

医療従事者向けサイトであっても、疾患啓発サイトであっても活用できるコンテンツ制作のポイントとして、「シーズナリティをプラスする」ことが挙げられます。年間を通してさまざまある「●●の日」や季節イベントは、キャンペーンなどコンテンツを打ち出しやすく、ユーザーの興味も引きやすいでしょう。

ほか、「認知症予防の日(6月14日)」「肺がん撲滅デー(11月17日)」など、疾患に関連した「●●の日」は、疾患啓発を大々的に行うのに適した日でもあります。 「●●の日」にちなんだコンテンツや施策の例は、以下の記事に掲載されています。年間を通しての季節イベント/●●の日が一覧で分かる資料もダウンロード可能です。