オウンドメディアに不可欠なKPI/KGIとは?成果を上げる目標設定のコツ

オウンドメディアに不可欠なKPI/KGIとは?成果を上げる目標設定のコツ

近年、製薬企業でもオウンドメディアを活用したマーケティングが増えてきましたが、運用する際に目標設定をどうすべきか悩む場合も多いのではないでしょうか。オウンドメディアの運用に欠かせないのがKPIの設定です。
本記事では、製薬企業のマーケティング担当者が把握しておきたいKPI設定について、医療従事者向けサイト、患者さん向けサイトごとに解説します。

KPIとはKGI達成までの小さなゴール

オウンドメディアの成果を上げるには、「適切なKPIを設定すること」が重要です。KPI(Key Performance Indicator)について理解するためには、KGI(Key Goal Indicator)に関してもセットで把握する必要があります。 KGIとは「マーケティング施策のゴールとして設定する指標」 です。対して KPIは、KGIまでの「中間測定のための指標」 を指します。

つまり、KGIの中に複数のKPIがある形となります。製薬企業にとって、ビジネス上の大きなゴールは「処方の最大化」です。その大きなゴールを達成するためにオウンドメディアに適したKGIが必要で、さらにそのKGIまでの通過点として、KPIを設定する必要があります。

オウンドメディアのKPI/KGIイメージ図

オウンドメディアのKPIは大別して2種類

オウンドメディアの運営において、KGI達成のために見るべきKPIは「行動指標に基づくKPI」と「コンバージョンに基づくKPI」の2種類に大別できます。

①行動目標に基づくKPI

行動指標に基づくKPIとは「記事コンテンツを何本公開したか」「ウェビナーを何回公開したか」など、運営側でコントロールできる施策の回数に基づく指標です。

ページビュー(PV)数や後述のコンバージョン率(CVR)などの数値は、ユーザーのアクション数に左右されますが、自己完結型の数値であれば、目標が達成されたかどうかがより計測しやすいでしょう。だたし、コンテンツを公開しただけで満足しないように注意する必要があります。

②コンバージョン率に基づくKPI

ある程度の集客を実現しているオウンドメディアの場合、コンバージョン率に基づいたKPI設定も視野に入ります。「新規会員登録数」「問い合わせ数」「ウェビナーの申し込み数」「資料のダウンロード回数」などのコンバージョン率にKPIを設定し、さらにユーザーの問い合わせ率を高めるための施策を実行すれば、より自社の売り上げを加速できます。

しかし、オウンドメディア上にいくらコンバージョンポイントを設定したとしても、そもそものPV数を少なければあまり効果がありません。その場合、まずは自社メディアの認知度を高めることに注力しましょう。

KPIの前にターゲットユーザーに即したKGIを設定する

KPIを設定する前に、まずはKGIの設定が必要です。製薬企業の運営するオウンドメディアは、主に「医療従事者向けサイト」「患者さん向けサイト」の2種類があり、ターゲットユーザーが大幅に異なります。そのため、それぞれのサイトでのKGIの設定が必要です。

医療従事者向けサイトのKGI

製薬企業が運営する 医療従事者向けサイトのKGIは、自社のステークホルダーとなる医師の情報を収集しパーソナライズ化すること です。そのため、医療従事者向けサイトでは、まずは集客のために「製品情報」「疾患情報」「学会情報」「ウェビナー情報」などを公開していきます。

従来は、製薬企業の医師へのアプローチ手段としては主にMRによる訪問営業やチラシ配布が行われていました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で対面での情報提供が難しくなっているのが現状です。一方で、医師情報の獲得をKGIに設定したオウンドメディアの活用は、ますます重要になっています。

患者さん向けサイトのKGI

患者さん向けサイトは疾患啓発サイトなどとも呼ばれ、コンテンツマーケティングを駆使して患者さん・ご家族に対して情報を発信するDTC(Direct to Consumer)タイプのサイトです。

製薬企業が医療用医薬品の製品情報を医療従事者以外に提供することは、薬機法で禁止されています。そのため、製薬企業が運営する 患者さん向けサイトのKGIは、信頼性の高い疾患情報を提供し、疾患への理解を深め治療に向き合ってもらうことで、自社ロイヤリティを高めること だといえます。

ロイヤリティを高め信頼を獲得することで、患者さんに「治療決定に参加してもらう(SDM)」「自社の薬を選択してもらう」「処方された薬を安心して服用できアドヒアランスが向上する」ことにつながります。

製薬企業オウンドメディアにおけるKPIの設定方法

KPIは、定量的な数値で効果測定できる指標を設定します。数値として目標を達成したか否かをモニタリングすることで、効果測定や分析がしやすくなるためです。

例えば、会員制の医療従事者向けサイトなどでは「〇〇人程度の新規会員を獲得する」という漠然とした指標ではなく「〇〇(日付)までに〇〇人の新規会員を獲得する」などのように具体的な指標を、細かく設ける必要があります。

医療従事者向けサイト・患者向けサイトそれぞれにおける、KPI設定方法について解説します。

医療従事者向けサイトのKPI設定方法

医療従事者向けのKGIは「医師情報を取得しサイトをパーソナライズ化すること」です。そのためには「新規会員登録数」「アクティブユーザー数」「ウェビナーへの参加人数」などに基づいてKPIを設定します。これらは前述のコンバージョン率に基づいたKPIです。

また、医療従事者向けサイトで、自社の行動量に基づいたKPIを設定する場合は「定期的なコンテンツ制作」「メルマガ配信」などのアクションプランから、中間測定のための数値を割り出します。

ただし、下図の通り、製薬企業の医療従事者向けサイトの立ち上げからパーソナライズ化までは多くのフェーズがあります。それぞれの段階ごとに、的確にKPIを設定しましょう。

オウンドメディアの立ち上げ〜パーソナライズまでのフェーズ案

患者さん向けサイトのKPI設定方法

患者さん向けサイトは、想定ユーザーに対する疾患情報の啓発活動を通して、ロイヤリティを形成することが目的です。分かりやすく、信頼性の高い情報を患者さんに届けなければなりません。そのために必要なKPIは「オーガニック検索数」「サイト内の定着(回遊)率」「リピート率」などに基づく評価指標となります。

これらを上げるための施策例としては「SEOを意識したキーワード設定・ライティング」「内容が古くならないよう最新の情報へのリライト」「定期的な更新によるコンテンツの充実」などが挙げられます。患者さん向けサイトの場合も、その成長フェーズに応じて適切なKPIを設定しましょう。

製薬企業のオウンドメディアではターゲットに合わせたKPI設定が必要

オウンドメディアのKPI、KGIの設定は、その後の成果にも影響を与えます。製薬企業が運営するオウンドメディアは、医療従事者向けサイトと患者さん向けサイトで目的が大きく異なるため、それぞれにおいて適切なKPI、KGI設定を行い、定期的に効果測定や分析を行うことが大切です。

常に自社のオウンドメディアにとって最適な施策を講じるため、一度設定したKPIでも、成果やメディアのフェーズに合わせて見直していきましょう。


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