製薬データマーケティングに取り組む前に確認したいノウハウ・事例まとめ

製薬データマーケティングに取り組む前に確認したいノウハウ・事例まとめ

リアルワールドデータ(RWD)や、自社MRによる営業活動データ、オウンドメディアやWeb講演会での医師の行動ログなど、製薬企業が活用できるデータは多種多様です。データマーケティングを成功させるためには、それらのデータの収集・分析・活用の体制を整える必要があります。
本記事では、データマーケティングに取り組む際に知っておくべきデータやツールの種類、考え方のほか、製薬企業の事例をまとめます。

製薬企業のデータマーケティングの考え方とは

新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、製薬業界でもこの1年半で大きくマーケティングのDX化が推進されました。各製薬企業がデジタルマーケティングに注力する中、注目を集めているのがデータを用いたマーケティングです。

製薬業界では、以前はMRがリアルで医師と面会し、提案からクロージングまで行うシングルチャネルでの営業活動が基本でしたが、現在はWebサイトのコンテンツ、Web講演会、チャットボット、メールマガジン、3rdPartyなどの複数のチャネルを用いて医師に情報提供を行うマルチチャネルが基本に。さらに、各チャネルを連動させ、顧客である医師に対しパーソナライズ化された情報提供活動を行うオムニチャネルが主流となっています。

オムニチャネルを推進するために重要なカギとなるのが、データの活用です。各チャネルから取得できる顧客の行動ログなどのデータに、RWDやオープンデータを掛け合わせることで、医師や医療機関、患者の傾向を把握でき、より精度の高い製薬マーケティングが可能となります。

以下の記事では、製薬データマーケティングの考え方や、プロダクトマネージャーがデータを活用していく上で知っておくべき基本やスキルについて解説しています。

知っておくべき製薬企業のマーケティングに生かせるデータ

製薬マーケティングのために収集・活用できるデータは、RWD、オープンデータ、医師の学会・論文発表といったデータ、自社MRによる営業活動データ、オウンドメディア上の医師の行動ログ、Web講演会の視聴履歴などさまざまあります。

各データから、何を読み取り、売上達成・市場拡大・適正使用のためにどのようにマーケティングに活かすのか。データマーケティングを始める際には、各データの特徴を理解しておきましょう。

リアルワールドデータ(RWD)の活用

レセプトなどのRWDからは、医療機関に届けた医療用医薬品がどの医師によってどの患者さんに処方されているか具体的には把握できないものの、処方傾向を掴むことができます。一千万人規模にまで成長したデータベースにより、その分析精度は以前に比べ大きく向上し、製薬マーケティング、セールスに活用可能に。

RWDから処方傾向を掴むことで、医師へ提供する情報がさらに的確なものとなり、医師とのコミュニケーションの質も高まります。

オープンデータの活用

製薬企業が活用できるオープンデータサービスのひとつに、ミーカンパニー株式会社が提供する、経年で蓄積したオープンデータベース「SCUELデータベース」があります。病院・診療所・薬局・介護など医療介護施設のデータを集約しており、製薬企業はデータから患者のペイシェントフローを描いたり、データの経年変化を追い、医師とのコミュニケーションを深めるソリューションを検討したりと、さまざまな場面で役立てることが可能です。

以下の記事では、オープンデータの基本的な活用方法のほか、SCUELデータベースを用いた難病・希少疾患領域のデータマーケティングについて紹介しています。

学会・論文情報データの活用

自社がターゲットとすべき医師の把握には、学会・論文情報データが活用できます。医師の学会発表情報・論文情報のデータベースは、医師の活動や、医師同士の関係性を可視化できるため、製薬企業が新規で参入する領域におけるKOL選定などの判断軸として利用できます。

さらに、医師の学会発表・論文情報のデータによりMRが担当医師や担当医師と関係性の深い医師の動きを把握できるように。MRから医師への的確な情報提供にも役立ち、コミュニケーションの質の向上にもつながります。

データマーケティングのための製薬企業向けツール

各製薬企業はMR、オウンドメディア、メールマガジン、Web講演会、チャットボット、3rdPartyなど複数のチャネルを用いて医師に情報を発信しています。各チャネルから得られるデータが散漫していては、医師への適切なアプローチは望めません。データを一括に集め精査・分析することで、はじめてデータが適切にマーケティングに活用できるようになります。そのためにはまず、データを一括で管理できるツール導入が必須です。

MA、SFA、CRMなどマーケティングツールの違いを理解する

製薬マーケティングに活用できるツールは、MAツール、SFAツール、CRMツールなどさまざまあります。
自社が導入しているマーケティングツールはなにか、そのツールでは何ができるのか、運用していく上で足りない機能はないかなど、マーケティング担当者として各ツールの基本機能や使い方を理解しておきましょう。以下の記事では、各マーケティングツールの基本的な特徴・違いを解説しています。

他社の製薬データマーケティング事例から学ぶ

製薬業界全体でデジタルマーケティング推進の動きがある中、データマーケティングを行う体制を整え、実際に運用を開始し結果を出している企業も多くあります。製薬企業がマーケティングに活用できるデータはさまざまあるがゆえに、どのデータを活用すべきか、何をKPIとすべきかが明確に定められないケースも多くあります。

以下の記事では、データ活用を積極的に行っている製薬企業にインタビューをし、データ活用の事例を詳しくうかがっています。自社のデータマーケティングを見直し、体制を整え運用していくヒントとしてください。