EHRの利用は伸びているが問題もあり

EHRの利用は伸びているが問題もあり

アメリカにおいて、Electronic Health Record(以下EHR)の利用が年々伸びています。PracticeFusionの発表によると、今年一杯で、アメリカの開業医の90%がEHRを使用する予定になっています。
また、医師は現在、EHRに対してその日の50%以上の時間を費やしています。

このようにEHRの採用率や利用率はかなり高くなっていますが、WPP Health & Wellnessのチーフ・デジタル・オフィサー、Ritesh Patel氏は、Ogilvy CommonHealthの第2回EHRサミットにおいて、EHRが本来期待されている役割による利用は進んでいないと発表しました。

EHRの現状

EHRに期待されている役割は、電子カルテに代表される医療・健康に関する情報の一元化、そして、患者医師間のコミュニケーションツール、という2つが大きいとされています。
Patel氏は、特に戦略的なコミュニケーションツールとしてのEHRの使用が進んでいないと指摘しています。

また、製薬会社から見ても、EHRはそれを使っているというブランドイメージ的な要素と、EHRの画面上にバナー広告を表示するためのもの、という2点が重要だと認識していると考えられています。
しかし、EHR上のバナー広告は、医師からは価値がそれほど高く認識されておらず、バナー広告を表示できるメディアツールとしてEHRを捉えている場合は、その価値と効果は今後急速に低下するだろうとPatel氏は指摘します。

EHRの今後

現時点で、EHRが情報の一元化を担っている役割は大変重要で、病院内で使われている他のシステムとの統合や、医療機器との接続など、利用の幅も広がっています。
患者を診察している医師以外でも、EHRは病院や医局単位でのワークフローとしても重要度を増しています。

その流れの中で、戦略的なコミュニケーションツールとしてEHRを利用するために、医師への教育を含めた利用方法の変更を図ることも重要です。
EHRへの病院や医師、患者、製薬会社の関わりは今後もっと密になっていくと思われますが、どのように利用していくのかはまだ推移を見守る必要がありそうです。

ニュース元:FiercePhama

http://www.fiercepharma.com/marketing/ehr-use-growing-but-adoption-as-strategic-brand-tool-remains-nascent-ogilvy-commonhealth