【DL資料あり】医師の情報収集方法および製薬企業との関わりに関する調査レポート2024年版 -オウンドメディア編-
COVID-19が社会にもたらした変化は、医師が利活用する情報収集チャネルやその頻度にも影響を与えました。さらに2024年の4月から医師の働き方改革がはじまり、今後ますます医師の情報収集の方法や、製薬企業との関わりに変化が生じると予想されます。
Medinewでは、2024年4月からの医師の働き方改革による医師の情報収集方法の変化予測や、医師のデジタルチャネル利活用および製薬企業との関わりを探るべく、2024年2月、医師250名を対象にアンケート調査を実施しました。
本記事では、製薬企業各社が運営する医療従事者向けサイト(オウンドメディア)に対して、医師は何を求めているのか、調査結果を一部抜粋し推察します。
実施概要
Medinewでは2022年、2023年と医師を対象としたアンケート調査を実施してきました。今年は、これまでと同様に医師のデジタルチャネルの利活用頻度や製薬企業からの情報提供に対するニーズを明らかにすること、そして2024年4月からはじまる医師の働き方改革による医師の情報収集方法の変化を予測することを目的に、医師250名を対象にアンケート調査を行いました。
(実施期間:2024年2月14日~2月22日、対象:全国の20~60代以上の医師、回答者数:250名、実施方法:Webアンケート)
アンケート結果サマリー
Summary2:コンテンツの量と質×UI/UXの向上で医師を離さないオウンドメディア構築を
- 年代問わず、7~8割の医師は製薬企業の医療従事者向けサイトに会員登録しているが、年代が上がるごとに登録していない層は増加する
- 若手医師は医療従事者向けサイト経由でMRなどの製薬企業担当者と連絡を取る人が多く、40代以上の医師はWeb講演会を目的にサイトにアクセス
- 医療従事者向けサイトに求めるものは、薬剤・疾患・診療などの情報と、使いやすさなどのUI/UX
7割以上の医師が1社以上の医療従事者向けサイトに会員登録済み
製薬企業による医療従事者向けサイトへの会員登録状況を問う設問では、年代問わず全体の7~8割の医師が1社以上のサイトに会員登録していることが分かりました。
しかし、その数は年代により差があることも明らかとなりました。
例えば20代では、9割近くの医師が1社以上の医療従事者向けサイトに登録していますが、7社以上のサイトに登録しているという層は今回の調査ではおらず、3~4社のサイトに登録しているという層が半数を超える結果に。
一方、60代のベテラン医師は7社以上のサイトに登録しているという層が全年代のうち最も多かったものの、1つも登録していないという層も最多となり、医療従事者向けサイトの活用度合いが二極化しているようです。
年代で異なる医療従事者向けサイトの興味コンテンツ
では、オウンドメディアの活用目的は年代ごとで違いがあるのでしょうか。
医療従事者向けサイトに再訪・ログインするきっかけとなったコンテンツや機能を問う設問では、年代に関わらず、「薬剤」「疾患」「診療」情報の取得を目的としていることが明らかになりました。製品もしくはその周辺情報は、製薬企業が提供する医療従事者向けサイトの要のコンテンツであることは間違いありません。
そして、これらに次いで医療従事者向けサイトに再訪・ログインするきっかけとして有力なコンテンツは「Web講演会」でした。
40代以上はクイックに情報収集できるWeb講演会が目的である一方、若手医師はエビデンスを重視
年代別で見ると、特にWeb講演会の予約・視聴を目的とする層が多いのは、40代以上の中堅~ベテラン医師でした。
一方で、20代の若手医師からの支持が厚かったのは「文献情報」であり、若手医師は診断や治療方針の決定に際し自身の知識や経験を補完するための、中立的かつ信憑性の高い情報提供を求めていると考えられます。
若手医師はサイト経由での製薬企業担当者とのつながりを求める傾向
また、製薬企業が医療従事者向けサイトで提供すべきだと考えるコンテンツや機能を問う設問では、20~30代の若手医師は「サイトを通じて営業担当者と連絡が取れる」「サイトを通じてメディカル担当者と連絡が取れる」ことが重要であると考えていることが明らかになりました。
40代以上の医師と比べて、まだ製薬企業とのコネクションが少ない若手医師にとっては、情報を取得するだけでなく、サイトを介してクイックに製薬企業担当者と連絡を取れるコンテンツや機能にもニーズがあるようです。
これらの結果から、医師から選ばれる医療従事者向けサイトを構築するためには、ベースとなる薬剤、疾患、診療情報を厚くするだけでは不十分といえそうです。
40代以上の医師には効率的に情報収集できるWeb講演会を、30代以下の若手医師には文献など中立的かつ信憑性の高い情報や、気軽に質問や相談ができるように製薬企業担当者との連絡が取れる機能を。ターゲット医師の年代に合わせて、注力すべきコンテンツや機能を精査する必要があるといえそうです。
医師は医療従事者向けサイトのUI/UXも重視
最後に、医師は医療従事者向けサイトにどういった点を期待しているのでしょうか。
製薬企業の医療従事者向けサイトが提供すべきコンテンツや機能を問う設問では、やはり、年代問わず「薬剤」「疾患」「診療」情報が充実している必要があるという回答が6割以上でした。
しかし、注目したいのは、これらの製薬企業が提供する医療従事者向けサイトの基本コンテンツと同じくらいに、UI/UXも見られているという点です。
「サイト内検索機能が充実している」「目的の情報を見つけやすい」「パソコン、スマートフォン、タブレットなどさまざまな端末から情報が見やすい」など、医師はサイトを閲覧する際にストレスを感じないか、スムーズに情報を見つけられるか、という観点も重視しているようです。
目的の情報にスムーズにたどり着けることは、サイトの「使いやすい」という印象に大きく影響を与えます。そのためにはサイト内の検索機能だけではなく、少ないクリック数で目的の情報にたどり着けるか、1つのコンテンツから関連コンテンツへと回遊できるかなど、コンテンツの導線も考慮する必要があります。
そして、医師が医療従事者向けサイトを閲覧するケースは、今やパソコンだけではありません。業務のちょっとした隙間時間、移動時間のWeb講演会視聴にはスマートフォンを、患者への情報共有にはタブレットを、など、デバイスを使い分けて複数の端末からアクセスすると考えられます。サイトそのもののレスポンシブ対応はもちろん、コンテンツごとにメインで利用されるシーンやデバイスを検討した上で、適した見せ方・レイアウトを検討する必要があるといえるでしょう。
医療従事者向けサイトに求められるパーソナライズ化
本調査結果から、医師の年代によって医療従事者向けサイトに求めるコンテンツや機能が異なること、医師はコンテンツそのものだけでなく、UI/UXなどの「使いやすさ」「自分に適したサイト閲覧体験」が求められていることが分かりました。
これらに対応するためには、ターゲット医師に合わせて医療従事者向けサイト内の情報を提供するパーソナライズ化が必要です。
ただ全ての情報をサイト上に掲示するだけでなく、これまでの閲覧履歴やサイト内での行動ログからコンテンツをレコメンドしたり、今回の調査結果に基づき、若手医師に対してはログイン後すぐのトップページに製薬企業担当者と連絡が取れるチャットボットや窓口案内をしたり。パーソナライズ化によって、ターゲット医師のサイト閲覧の体験価値を高めることができるでしょう。
本アンケートの調査レポートの完全版は、以下フォームより無料でダウンロードいただけます。
「医師の情報収集方法および製薬企業との関わりに関する調査」掲載内容(全69P)
- 調査概要
- サマリー
- (1)医師の働き方改革:主な調査結果
- (2)医師のデジタルチャネル利用実態:主な調査結果
- (3)製薬企業との関わりの実態:主な調査結果
- 調査結果詳細
- Medinew/医薬情報ネットについて