【DL資料あり】医師への情報発信が成功する5つの要因
COVID-19禍の影響が徐々に収束を見せつつあり、リアルでのイベント開催も再び増加してきた昨今、医師の情報収集方法はどのように変化しているのか。
Medinewでは、現在の医師のデジタルチャネル利活用および製薬企業との関わりを探るべく、昨年2022年3月に実施してから約1年が経過した今年3月、医師250名を対象にアンケート調査を再び実施しました。本記事では、調査結果に加え、2023年6月に開催したMedinew Digital Marketing Day(MDMD) 2023 Summerのセッション「現役医師が語る!情報収集の本音と不満 ~今、製薬企業に求められる情報発信とは?~」で明らかになった医師の本音とともに、医師への情報発信が成功する5つの要因を考察します。
- アンケート実施概要
- セッション概要
- 1. 必要な情報をピンポイントで効率的に提供する工夫が大切
- 医師は限られた時間の中で効率重視の情報収集。状況に合わせて情報源を使い分け
- Medinewが行った調査では以下のような結果に
- 2.欲しい情報に迅速に辿り着けるユーザーフレンドリーなサイト設計が鍵
- 医師は製薬企業のWebサイトを利用する際、すぐに欲しい情報に辿り着きたい
- Medinewが行った調査では以下のような結果に
- 3. ターゲットを理解したコンテンツと導線作りで差別化を図る
- 医師は薬剤情報だけでなく、診療に生かせる実用的な情報を求めている
- Medinewが行った調査では以下のような結果に
- 4. メール配信はパーソナライズされた情報提供が効果的
- メールは活用するものの、一斉配信のメールマガジンは基本的に読まない
- Medinewが行った調査では以下のような結果に
- 5. 医師のニーズを理解し、多方面の情報に精通することが面談獲得の決め手
- 有益な情報を提供してくれるMRとは時間をとって面談したい
- Medinewが行った調査では以下のような結果に
- ダウンロード資料「医師の情報収集方法および製薬企業との関わりに関する調査2023」
アンケート実施概要
医師のデジタルチャネルの活用頻度や製薬企業からの情報提供に対するニーズを明らかにするために、Medinewでは昨年に引き続き、2023年3月に医師250名を対象としたアンケート調査を行いました。
(実施期間:2023年3月16日~3月20日、対象:全国の20~60代以上の医師、回答者数:250名、実施方法:Webアンケート)
セッション概要
2023年6月に開催したMedinew Digital Marketing Day(MDMD) 2023 Summer。株式会社医薬情報ネットの笹木がモデレーターを務め、3名の現役医師をゲストとして迎え、医師の情報収集の現状を伺いました。
<パネラー>
京都大学医学部附属病院 呼吸器外科 講師 濱路 政嗣 先生
イデリアスキンクリニック代官山 院長 佐治 なぎさ 先生
青梅市立総合病院 呼吸器内科 日下 祐 先生
1. 必要な情報をピンポイントで効率的に提供する工夫が大切
医師は限られた時間の中で効率重視の情報収集。状況に合わせて情報源を使い分け
忙しい職務の間に情報収集をする医師は、必要な情報を効率的に集めるためにさまざまな方法を活用しています。
網羅的な情報収集をする際には、エムスリーやケアネットなどの医師向けメディアを活用。佐治先生は、「テキストベースで情報が整理されており、個別の都合に合わせて情報を得ることができるため便利」と回答。
呼吸器内科の日下先生も、特に毎年新薬が登場する肺がん領域の情報は、医師向けメディアのメールマガジンなどで積極的に収集し迅速にキャッチアップできるようにしています。併せて「ガイドラインなどの臨床にすぐ役立つ情報、今後新薬として出てくる臨床試験の情報もチェックしています」と明かしました。
時間制約があるため、動画の視聴よりもテキスト形式の情報提供が重宝されている傾向であることがわかります。
また、治療法や薬剤に関する基本的な情報をオンラインで収集する一方で、実際の処方経験や使用感については同業者の声を重要視されています。
呼吸器外科の濱路先生は、手術手技やデバイスに関する情報を得るために先輩や同僚医師との情報交換を行っており、メリットとして「同僚や知人医師からの情報収集は、その場で疑問を聞いて返答があるため、情報のやり取りが一方向ではない点」を挙げました。
また、佐治先生も同様に、「知人経由の情報収集は双方向性があり、新たな発見やディスカッションができるため非常に有意義」だと回答。薬剤の患者への使用感に関しても知人医師から情報を得ているそうです。
Medinewが行った調査では以下のような結果に
2.欲しい情報に迅速に辿り着けるユーザーフレンドリーなサイト設計が鍵
医師は製薬企業のWebサイトを利用する際、すぐに欲しい情報に辿り着きたい
製薬企業のWebサイトの利用について、日下先生と佐治先生は、製薬企業のWebサイトを見る頻度はあまり高くないとコメント。
その理由について、佐治先生は「一つは、会員登録が手間だからというのがあります。大体3〜4社に登録していると思いますが、情報が多すぎて目的の情報を見つけるのに手間取ってしまいます」とコメント。日下先生も「製薬企業が一生懸命にWebサイトを作っているのはわかりますが、情報がありすぎて本当に欲しい情報に辿り着くまでのクリックの回数がかなり多い。検索機能など情報を見やすくするための機能があると思いますが、各社ごとに異なるため、使い方を覚えるのも億劫に感じてしまいます」と、使いづらさを感じており、ユーザーフレンドリーな環境を作ることや、情報の見やすさを考慮すること、情報の検索が容易であることが求められています。
Medinewが行った調査では以下のような結果に
3. ターゲットを理解したコンテンツと導線作りで差別化を図る
医師は薬剤情報だけでなく、診療に生かせる実用的な情報を求めている
製薬企業のWebサイトでは、医師のニーズに合わせて情報提供を行う必要があります。医師たちは、自身の専門分野に特化した情報や、実用的な情報が提供されることを期待しています。
濱路先生は「唯一登録している製薬企業のWebサイトは、手術手技の動画が充実しています。MRからの紹介で登録しました。手技動画がきっかけでサイトにアクセスし、それに関連して術後補助療法の薬剤について勉強したりもしますので、もし外科医を対象にするなら、手技動画はいいと思います」と活用シーンを明らかにしました。
佐治先生は「製薬企業の医療従事者向けサイトは立派だと思うのですが、実際に医師が見ると刺さらない部分が多い印象です。例えば妊娠授乳中に気をつけるべき薬剤の情報が横断的に出てくるなど、別の視点の情報が欲しいです。製品に関する情報は既に説明会で聞いていますので、製品パンフレットのような内容には惹かれません」と指摘。
また、「学会のサマリーが書いてあると一気に興味が湧く」「学会では全ての演題を聞けず、同じ時間帯の演題をどちらも聞きたかったという場合もよくあるため、自社領域の学会であればぜひ作成してほしい」という生の声から、医師たちは学会情報の充実を求めていることがわかります。
製薬企業のWebサイトの課題として浮き彫りになったのが、差別化。日下先生は「製薬企業のWebサイトは、誰を対象にして作っているかという点が課題だと思います。あとは差別化ができてないと見るきっかけにはなりづらいです」と話し、佐治先生は、「情報の量というよりも、コンテンツの質やシンプルさ、イージーアクセスという点が今後差別化の鍵になるのではないかと思います」と提案しました。
Medinewが行った調査では以下のような結果に
4. メール配信はパーソナライズされた情報提供が効果的
メールは活用するものの、一斉配信のメールマガジンは基本的に読まない
Web講演会の案内など、個々の関心に合わせた情報提供が医師たちの興味を引く一因ですが、メールやメールマガジンなどの情報提供手段は、効果的に利用される場合とそうでない場合があることが明らかになりました。
日下先生は、「Web講演会の案内をメールでいただければ興味あるものは登録しようと思いますし、この方とお話すれば勉強になるなというアポイントはお受けしています」と活用しているそうですが、佐治先生は、「メールマガジンに大事なメールが埋もれて気づかないことが増えてしまい、ルーチンで送られてくるメールマガジンは配信を解除しています。担当MRに直接メールで連絡するのは、レスポンスが早くていいので利用しています」とメールマガジンの必要性を感じていないようです。
濱路先生も、「メールマガジンはたくさん来るのですが、どれを見ればいいのか分からず、ほとんど見ていません。担当MRとは基本的にメールでやり取りしています」とコメント。
製薬企業のWeb講演会は、メールでの案内ではなく、郵送で届く紙媒体と医師向けメディアやMRとの面談で登録することが多いという意見も聞かれました。
メールマガジンでの情報提供について「毎回同じようなタイトルなので、何を新しく伝えたいのかというメッセージが不足していると感じます」と日下先生。
濱路先生は、「“この講演会ではこれをやります”とパッと見てすぐに分かるような簡単な紹介があれば、登録数は全然違ってくるのではないでしょうか」と改善策を提案しました。
Medinewが行った調査では以下のような結果に
5. 医師のニーズを理解し、多方面の情報に精通することが面談獲得の決め手
有益な情報を提供してくれるMRとは時間をとって面談したい
佐治先生は、「皮膚科領域はアトピー性皮膚炎の治療薬が多く出ているので、新薬が出てきたタイミングでの情報提供は非常に助かっています。また、地域の保険診療の査定がどのぐらいなのかなど、あまり外に出ない情報は生の情報としてとても貴重です。あとはワクチン助成金がその自治体でどのぐらいなのかもタイミングによって変わってきますので、こうしたエリアに特化した情報は本当に助かっています。これはMRの強みだと思います」と、地域の保険診療や助成金に関する情報など、地域特有のニーズに応じた情報が重要であること話します。
日下先生は、「MRによって薬剤に関する知識にかなり差があるなと感じます。質問したときに、すぐにデータを示してくれるようなMRだと『何か新しい情報ないですか』と声をかけたくなります。周りの医師も、以前と比べると面談をする人としない人で分かれてきているような印象です」と、MRの即座なデータ提供や情報の裏付けがあると医師たちはより興味を持ち、有益な情報交換できるMRとは、医師の面談に対する姿勢の違いがあると言及しました。
Medinewが行った調査では以下のような結果に
ダウンロード資料「医師の情報収集方法および製薬企業との関わりに関する調査2023」
本記事で紹介したグラフを含む、今回のアンケート結果をまとめた資料「医師の情報収集方法および製薬企業との関わりに関する調査2023」は、以下フォームよりダウンロードいただけます。
※資料の無断引用・転載はお断りいたします。
「医師の情報収集方法および製薬企業との関わりに関する調査」掲載内容(全65P)
- 調査概要
- サマリー
(1)医師のデジタルチャネル利活用の実態
(2)製薬企業との関わりの実態
- 主な調査結果
- 調査結果詳細