アメリカでは、現在他の先進国と比較しても医療支出が高騰している現状があります。
その理由としては、アメリカは他の先進国よりも医療サービスの利用率が高いこと、そして革新的で高価な医療サービスの利用が進んでいることの2点の理由から、多くの医療費がかかっていると考えられていました。
ハーバード・グローバル・ヘルス・インスティテュートのWoskie助教授によるアメリカ医師会のジャーナルに最近掲載された最新の調査では、その他にも原因があることを指摘しています。
医療支出に関する2つの問題点
Woskie助教授は、調査結果の中で医療支出高騰の原因を2点挙げています。
1)人件費や医薬品の価格の高騰
医師や看護師などの医療スタッフの給与はここ数年上がり続けています。このコストはそのまま医療サービスの価格を押上げています。
また、アメリカにおける政策的な努力は医療費の価格設定に関して特に注力をしてこなかった歴史があります。
この結果、医薬品の価格は年々上がり、これも医療支出の増加に大きな影響を及ぼしているのです。
2)管理コストの高騰
よりよい医療を追求する場合、プライマリ・ケアと専門的な医療サービスを併用していくことは必須です。
アメリカでは革新的な医療サービスへの関心が高く、利用率も上がっていますが、その患者は同時にプライマリ・ケアを利用しているため、管理コストが2倍になってしまっているのです。
医療支出を抑えるために
この調査はまだ継続中であるため、前述の原因として挙げた2点についても今後の精査が必要で、また他の原因がある可能性もまだ残されています。
しかしWoskie助教授は、批判的分析と価格の適切な調整が、米国の医療の価値を高める鍵となることを指摘しています。
特に医薬品の価格、管理コストの面は国の政策にこの問題点を織り込んで検討していく必要があります。
アメリカの医療支出は国内総生産の17.8%もあり、他の先進国は9.6〜12.4%であることから考えても、早急に対応していかなければならないことは明らかです。
ニュース元:SPACE COAST DAILY
HEALTH & MEDICINE SPOTLIGHT: Why Does America Spend More on Healthcare?