現在注目されているバーチャルリアリティ(VR)ですが、以前と比べて安価なヘッドセット(頭部に装着する機器)も販売され、一般的に普及もされるようになってきました。
そして、医療での利用も始まっています。
VRによるIBS(過敏性腸症候群)に関する教育ツールをSalix Pharmaceuticals社が提供開始しました。
教育の対象は医師で、人間の消化器系をVRヘッドセットで3Dツアーできるものです。
教育ツールの対象
VR映像は、人間の消化器系の3Dツアーで構成されており、その途中で、食物不耐性、胃腸に関する疾患、および微生物の変化など、IBSの起こりうる原因について説明を加えています。
Salix PharmaceuticalsのアドバイザーであるBrooks Cash博士は、VRを利用した手法により、より正確な教育につながるだろうと語っています。
この教育ツールは、医師の中でも特にプライマリ・ケアを担当する医師の教育に役立つことが期待されています。
それはIBSが様々な症状を含むこと、そしてIBSと診断している医師は消化器の専門医が45%に対して、プライマリ・ケアを担当した医師(PCP:初診を担当する医師)が42%を占めるためです。
プライマリ・ケアへの注力
IBSの患者の約70%は、プライマリ・ケアの段階で医師に明確に症状を伝えていると言われています。
この段階で正確な対処ができることは、患者の利益とともに、製薬会社の利益にもつながります。
Salix Pharmaceuticalsは、今後もプライマリ・ケア分野に注力をしていくとしています。
プライマリ・ケアは、患者にとって受診しやすいサービスであるとともに、担当する医師には幅広い専門性が求められます。
そこに対する効果的な教育ツールとして、VRは今後も大きく注目されていくことは間違いありません。
ニュース元:FiercePhama
http://www.fiercepharma.com/marketing/salix-new-virtual-reality-film-gives-literal-insider-tour-human-gi-tract