4割が医師面会時間の減少を実感。面談難易度上昇で求められるMRのデータ活用の現状とは
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2024年4月から本格始動した医師の働き方改革は、MRによる医療関係者への情報提供活動が難しくなるなど、製薬企業にも影響を及ぼしています。MRによる情報提供活動では、今、どのフェーズで何が課題となっているのか。マーケティング部門をはじめとした本社では、MRへの支援策として何に注力しているのか。
株式会社ビッグエムズワイは、「医師の働き方改革とMR支援に関する意識調査 ~VUCA時代に求められるマーケティングの役割とは~」と題して、Medinew読者の製薬企業勤務の方を対象に、アンケートを実施しました。本記事では、その結果の一部を抜粋し紹介します。
調査概要
- 調査期間:2025年1月14日~20日
- 調査対象:メディカルマーケティングマガジン『Medinew』読者(製薬企業のマーケティング部門、営業関連部門、メディカル部門など)
- 回答者数:127名(途中離脱者含む)
- 調査方法:Webによるアンケート形式
アンケート結果(抜粋版)を無料でダウンロードいただけます
ビッグエムズワイによる本アンケートの抜粋版レポートを、無料でダウンロードいただけます。
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サマリー
- 働き方改革によって、約4割がMRと医師との面会機会の減少を感じている
- 面談難易度上昇により「面談に備えた情報収集」への課題感が強い
- 面談環境の変化を受け、約6割がMRのデジタルツール活用を推進
- 7割がMRのデータ活用は「計画通りに進んでいない」と回答
- MRのデータ活用が順調に進んでいない群は、情報提供活動のボトルネックとなっている「面談に備えた情報収集」への課題感をより強く感じている
- MRのデータ活用推進のために、デジタルチャネル活用やデータ活用環境改善に注力
医師の働き方改革によるMRの情報提供活動への影響
「医師の働き方改革とMR支援に関する意識調査 ~VUCA時代に求められるマーケティングの役割とは~」と題した本アンケートは、2024年4月から本格始動した医師の働き方改革によるMRの情報提供活動への影響や、その影響を受けてマーケティング部門をはじめとした製薬企業本社によるMR支援の動向などを把握するために実施されました。
「医師の働き方改革施行後、MRと医師との面会時間は変化したか」という問いに対しては、「これまでと変わらない」との回答が約半数(54%)であったものの、「1割ほど減少した(26%)」「2~3割以上減少した(16%)」と、約4割は面会時間の減少を感じていることが分かりました。
![(株)ビッグエムズワイ「医師の働き方改革とMR支援に関する意識調査 アンケート結果レポート」より抜粋](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fimages.microcms-assets.io%2Fassets%2Febbc87f8c52f471ab333f4895f78ff10%2F251fa7896da142e78b892b327a289f5e%2Fbmy-survey-1.png&w=1920&q=100)
上昇する医師との面談難易度に「面談に備えた情報収集」への課題感が高まる
「営業活動でMRに課題を感じているフェーズ」をうかがう設問では、以下のフェーズに分けて課題を調査しました。
- フェーズ1:訪問優先度の高い医師のターゲッティング
- フェーズ2:医師に対するアポイント取得
- フェーズ3:面談に備えた情報収集
- フェーズ4:医師との面談実施
その結果、「フェーズ3:面談に備えた情報収集」への課題感が61%と、最も多い結果となりました。
![(株)ビッグエムズワイ「医師の働き方改革とMR支援に関する意識調査 アンケート結果レポート」より抜粋](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fimages.microcms-assets.io%2Fassets%2Febbc87f8c52f471ab333f4895f78ff10%2F5c35474aade744b083b3bb7ced478a9b%2Fbmy-survey-2.png&w=3840&q=100)
医師の働き方改革は少なからず製薬企業のMR活動に影響を及ぼしているようですが、一方で、医師は、ますます限られた時間の中でより効率的に情報収集をしなければならなくなったといえます。その期待に応えるためにも、また、限られた面談機会で成果を上げるためにも、面談に向けた情報収集の重要性が高まっているといえそうです。
求められるMRのデジタルツール活用
では、短い時間・少ない機会で、面談の精度を上げていくために、製薬企業はどのような対策をとっているのでしょうか。
「医師の働き方改革を受け、企業として注力した対策」をうかがったところ、「MRによるデジタルツール活用の推進」への回答が最も多く、57%でした。
![(株)ビッグエムズワイ「医師の働き方改革とMR支援に関する意識調査 アンケート結果レポート」より抜粋](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fimages.microcms-assets.io%2Fassets%2Febbc87f8c52f471ab333f4895f78ff10%2F4d7af79821b14c5496a15ad153b706e2%2Fbmy-survey-3.png&w=3840&q=100)
例えば、VeevaやIQVIAのようなCRMツールであれば、具体的な営業活動を記録・分析するほか、医師の面談の際に資材を効果的に見せることも可能です。このような有用なデジタルツールの導入・活用推進によって、医師への情報提供の質の向上が期待できます。
MRのデータ活用は7割が非順調。対策は?
医師への適切な情報提供のためには、MRのデジタルツール活用を推進すると同時に、MR自身が医師のニーズや行動パターンを把握できるようデータを活用する力が求められます。
「営業活動において、MRによるデータ活用は進んでいるか」として計画に対する進捗状況をうかがったところ、「計画には届かないものの進んでいる(4~6割)」が約半数の49%と最も多く、「計画通りに進んでいない(3割以下)(14%)」「計画段階または開始直後(7%)」と合わせた非順調群は、7割という結果に。「おおむね計画通りに進んでいる(7割以上)」の回答はわずか24%(=順調群)でした。
![(株)ビッグエムズワイ「医師の働き方改革とMR支援に関する意識調査 アンケート結果レポート」より抜粋](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fimages.microcms-assets.io%2Fassets%2Febbc87f8c52f471ab333f4895f78ff10%2Fad7204bab4bc403bb740000fd6ca24a8%2Fbmy-survey-4.png&w=1920&q=100)
データ活用の遅れは営業課題の解決を妨げている
MRのデータ活用の進捗度合いを「順調群」と「非順調群」に分けて見ると、営業活動フェーズで感じている課題感にも差が見えてきました。
![(株)ビッグエムズワイ「医師の働き方改革とMR支援に関する意識調査 アンケート結果レポート」より抜粋](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fimages.microcms-assets.io%2Fassets%2Febbc87f8c52f471ab333f4895f78ff10%2F00b5101c3bc44e688fb0eaad0ae8eaee%2Fbmy-survey-5.png&w=1920&q=100)
全体で最も課題を感じている人が多かった「フェーズ3:面談に備えた情報収集」を見ると、MRのデータ活用非順調群は、順調群に比べて15ポイント高いことが分かります。非順調群の方がより強く営業活動に関する課題を感じており、MRのデータ活用の遅れが、営業活動の課題解決を妨げている可能性が示唆されます。
MRのデータ活用のために「データ収集」と「データ活用環境改善」に注力
製薬企業本社は、MRのデータ活用に対してどのような支援策を実施すればよいのでしょうか。
所属部門で注力しているMRのデータ活用への支援策を問う設問では、「オンライン面談やWeb講演会などのデジタルチャネルの活用推進」が最も多く、39%でした。特に働き方改革以降、短時間で視聴できるWeb講演会は、医師にとってもクイックかつ手軽に必要な情報を入手できるチャネルとして価値が高まっているといえます。これらのデジタルチャネルの適切な活用は、医師の情報取得やニーズ把握のためのデータ収集にも寄与するでしょう。
![(株)ビッグエムズワイ「医師の働き方改革とMR支援に関する意識調査 アンケート結果レポート」より抜粋](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fimages.microcms-assets.io%2Fassets%2Febbc87f8c52f471ab333f4895f78ff10%2Ff870fd9955f2429eb7c04be3bd7f75f1%2Fbmy-survey-6.png&w=1920&q=100)
次いで「販売実績、顧客情報、マーケティング活動履歴といったデータの一元管理」が24%、「MRが一目で理解できる、ユーザーフレンドリーな分析ツールの提供」が21%と、MRのデータ活用環境の整備や改善にも一定数の企業が注力しているようです。
データは一元管理することでいつでも分析・活用ができるだけでなく、部署ごとのサイロ化や属人化を防ぐことにもつながります。そして、MRのデータ理解度やツール活用度のばらつきを解消するためには、MRにとっての「使いやすい」ツールである必要があります。
データの収集、管理、ツールの整備、全てがMRのデータ活用推進のために欠かせない要素であることは間違いないといえそうです。自社の課題把握と、まず取り掛かるべき支援策を検討するために、本アンケート結果をぜひご活用ください。
アンケート結果(抜粋版)無料ダウンロードはこちら
ビッグエムズワイによる本アンケートの抜粋版レポートを、以下フォームより無料でダウンロードいただけます。
【抜粋版レポート】医師の働き方改革とMR支援に関する意識調査
- 調査概要
- 回答者属性
- 集計軸
- サマリ
- 結果の詳細
- 医師の働き方改革後の環境変化
- MRのデータ活用における課題
- MRのデータ活用推進への取り組み