7/6はワクチンの日 - 製薬企業のワクチン関連の啓発サイトを調査
1885年7月6日に、狂犬病ワクチンが初めて人に接種されました。近代ワクチンの父として知られるルイ・パスツール博士がこの偉業を達成した7/6は「ワクチンの日」です。今回は、製薬企業が運営するワクチン関連の啓発サイトを調査しました。種類が多いワクチンの情報提供範囲の工夫や、便利で興味深いコンテンツなど、各サイトの取り組みをご紹介します。
ワクチン関連の啓発サイトを運営している製薬企業一覧
ワクチン接種は病気を防ぐ手段のひとつですが、種類が多い上に接種時期が決まっているなど、情報を把握していないと接種タイミングを逃してしまうことがあります。
本記事では製薬企業が運営するワクチン関連の情報サイトを調査しました。対象はこれまで通り、製薬企業オウンドメディア定期レポートで対象としている19社です。ワクチン関連の啓発サイトは、そのうち6社の14サイトでした。ワクチン全体の情報を発信するサイトや、特定のワクチンに焦点を当てて病気の予防を啓発するサイトがありました。
ワクチン総合情報サイトでは、予防できる病気やワクチンの種類、接種時期がまとめられていました。特定のワクチンを対象としたサイトでは、予防できる疾患の情報を詳しく取り上げ、ワクチンの重要性を訴求しています。
乳幼児期のワクチン情報を発信するサイトでは、各子どもに適した予防接種スケジュールが作成できるコンテンツや、ダウンロード可能のワクチンの情報冊子が用意されています。また、多種多様なワクチン情報を効果的にまとめ、トップページの構成にも各社が工夫を凝らしていました。
本記事では、ワクチン総合情報サイトを3つ取り上げてご紹介します。その他のサイトを含めた調査一覧については、ダウンロード資料を用意しています。ページ下部よりダウンロードください。
武田薬品工業 みんなのワクチンナビ
2023年3月に開設されたこちらのサイトは、伝える情報を厳選し、情報の見やすさや分かりやすさに工夫が見られました。「ワクチンコンテンツ」では、主に乳幼児・小児を対象とした9つのワクチンについて、イラストや動画を使って解説しています。
COVID-19以外のワクチンでは、形式を統一して各ワクチンの概要や接種時期、注意事項を紹介し、解説スライドや冊子がダウンロード可能です。外部サイトのリンクになりますが、外国版の冊子「予防接種と子どもの健康」や予診票も掲載しています。
「しってる?!みんなのワクチンナビ」では、2人の小人が「ワクチンコンテンツ」のスライドを用いてワクチンを解説する動画を配信しています。単方向ではなく2人のやり取りがあるため、内容が伝わりやすいと感じます。解説は比較的ゆっくりとしたスピードで行われますが、2倍速まで速度調整でき、現代の動画視聴傾向に適していると言えそうです。
3択クイズが10問出題される「チャレンジ!!ワクチンものしりマイスター」は、毎回問題が変わったり、問題ごとに解説が表示されたりと、楽しみながら学ぶ工夫があるコンテンツです。各ワクチンのボタンやページは、同社の他サイト「子どものための予防接種とワクチン」でも採用されているワクチンカラー(ワクチンごとに決められているキャップやラベルの色)で統一されています。
みんなのワクチンナビ
https://www.takeda.co.jp/patients/vaccine_portal/
サイトディスクリプション
みんなのワクチンナビでは、インフルエンザ、おたふくかぜ、COVID-19、水痘(みずぼうそう)、帯状疱疹、日本脳炎、風しん、麻しん(はしか)のついてメインに解説し、併せて疾患毎のワクチン接種後の注意、接種時期についてご紹介します。
キーワード
武田薬品工業,みんなのワクチンナビ,インフルエンザ,おたふくかぜ,水痘(みずぼうそう),帯状疱疹,日本脳炎,風しん,麻しん(はしか),麻しん風しん混合(MR)
コンテンツ一覧
・ワクチンコンテンツ
インフルエンザやおたふくかぜなど9つのワクチン情報を掲載
・しってる!?みんなのワクチン
2人の小人が予防接種について解説する動画を15コンテンツ配信
・チャレンジ!!ワクチンものしりマイスター
ワクチンに関する3択クイズを10問出題
田辺三菱製薬 ワクチン.net
圧倒的なワクチンの情報量を誇るワクチン情報サイトで、ワクチンの基本的な解説や各ワクチンの特徴がまとめられています。バナーには主要コンテンツを表示し、どの情報から見れば良いか迷う人でも、まず見るべき情報に簡単に辿り着けるようになっています。
「主なワクチンの種類」は、子どもが受けられる予防接種に関する解説コンテンツです。各ワクチンのページでは、定期・不定期接種、生・不活性化ワクチン、接種部位などをアイコンで表示。また対象年齢に合わせた子どものイラストも表記しており、一目で分かりやすい工夫がなされています。
コンテンツ「感染症を知ろう」では、潜伏期間や治癒までの日数、季節ごとの流行感染症などを図でまとめています。さらに、広島テレビが作成したワクチン解説動画や、子どもの感染症に関するストーリー漫画など、ワクチンについて理解を深めるためのコンテンツが豊富です。
生年月日と性別を入力すると、各子どもに適した予防接種のスケジュールが作成される便利な機能もあります。乳幼児期は短期間で複数の予防接種を受ける必要があるため、保護者にとって大変助かるサービスです。さらに、大人の感染症やワクチンについての情報も掲載しており、幅広い感染症情報を網羅しているサイトと言えます。
ワクチン.net
https://www.wakuchin.net/
サイトディスクリプション
ワクチン.netは、田辺三菱製薬がお届けする、子どもを感染症から守るための「ワクチン」の普及・啓発サイトです。子どもがかかる感染症やその特徴、ワクチンの種類、予防接種のスケジュールなどをわかりやすく解説しています。
キーワード
ワクチン,予防接種,感染症,4種混合,MR,麻しん,風しん,水痘,みずぼうそう,日本脳炎,スケジュール,インフルエンザ,VPD,子ども,母子手帳,ワクチン Infomation,接種啓発,ポスター,自治体,保育園,幼稚園,小学校,集団生活,定期接種,任意接種
コンテンツ一覧
・予防接種とワクチンのおはなし
予防接種の重要性とワクチンについて、イラストや表を用いて解説
・主なワクチンの種類
子どもが接種する主なワクチンの効果や接種時期などを紹介
・感染症を知ろう
子どもが罹りやすい感染症について表や漫画、動画などを用いて解説
・ワクチン接種のスケジュールと流れ
乳幼児の予防接種のアドバイスやマイスケジュールを提供
・ママ・パパのためのワクチンQ&A
予防接種に関する基本的な疑問と回答を掲載
・大人の感染症予防
大人が接種できるワクチンと予防できる感染症について解説
・Pick Upコンテンツ
4種混合・MR・水痘・日本脳炎の4つのワクチンや感染症を解説
・ワクチン啓発ツール
地方自治体や幼保で自由に使えるPDFをダウンロード可能
ファイザー ワクチンを学ぶ
ワクチン部門のブランドイメージムービーや、部門長インタビュー記事を掲載するなど、ワクチンの重要性を訴求しているサイトです。他のワクチン関連の啓発サイトでは、主にワクチンや感染症について解説しているサイトが多い中、こちらのサイトでは免疫についても丁寧に紹介しています。
「免疫について」のコンテンツでは、イラストを使って免疫細胞や免疫システムを分かりやすく解説しています。各コンテンツは1ページにまとめられており、スッキリとして読みやすいです。各感染症についての解説コンテンツでは、感染経路・症状・ワクチンの3点を簡潔にまとめており、感染症やワクチンについて軽く知りたい人に適した内容となっています。
動画コンテンツでは、YouTubeを活用しています。各動画タイトル下には簡潔な内容の紹介文や動画時間を表記しており、見る側への配慮が感じられます。各ページやコンテンツに作成時期が記載してある点も、いつの情報なのか、最新の情報なのか判断できる材料として役立つでしょう。
ワクチンを学ぶ
https://www.pfizervaccines.jp/
サイトディスクリプション
「ワクチンを学ぶ」は、ファイザー株式会社が運営するワクチン関連情報を紹介、発信するサイトです。-ファイザー株式会社
キーワード
ワクチン,免疫について,ワクチンで予防できる疾患,ワクチンを学ぶ,ファイザー
コンテンツ一覧
・免疫について
免疫細胞や免疫システム、ウイルスについて図を用いて解説
・ワクチンについて
ワクチンの働きや種類をイラストを用いて説明
・ワクチンで予防できる疾患
VPD(ワクチンで予防できる疾患)を子どもと大人に分け紹介
・動画で学ぶワクチン
感染症やワクチンの解説アニメーションをYouTube内で動画配信
・ファイザーワクチン部門について
ブランドムービーや部門長のインタビュー記事を掲載
最新のデジタルトレンドに合わせて、サイトをブラッシュアップする
今回の調査では、クイズなど読者に興味を持ってもらいやすいコンテンツや、複数の予防接種のスケジュールを管理できる便利な機能、企業の信頼感を高めるブランドムービーなど、各社のさまざまな取り組みが見られました。Webサイトでの情報収集が当たり前になった今、一般の方に関心を持ってもらえる工夫がますます必要になっていると言えます。
また、ここ数年で、デジタル技術は驚異的な進歩を遂げており、スマートフォンでの閲覧が増え、高速での動画視聴が当たり前になるなど、利用者のデジタル使用傾向も大きく変化しています。Webサイトは作って終わりではなく、定期的にコンテンツを見直したり、新しいデジタル技術を導入するなど、ブラッシュアップが求められています。
本記事では調査対象の一部について紹介しましたが、さらに詳しいコンテンツ一覧など、今回調査した詳細な情報はダウンロード資料よりご確認いただけます。下記フォームに必要事項をご記入の上、お申し込みください。資料ダウンロード用URLをお送りいたします。
ダウンロード資料「製薬企業のワクチン関連サイトを調査【2023年6月版】」
• ワクチン 14サイト
(各サイトのサイトディスクリプション/キーワード/コンテンツ一覧/特徴)