【DL資料あり】製薬企業のメルマガ、チャットボット、WEBディテーリングの導入状況を調査|2023年1月版

【DL資料あり】製薬企業のメルマガ、チャットボット、WEBディテーリングの導入状況を調査|2023年1月版

コロナ禍によるオンライン中心の活動から、オンラインとオフラインそれぞれの利点を活かしたハイブリッドな情報提供へと、製薬業界のマーケティングも変化してきています。前回の2022年度1月版の調査から約1年が経過した今、製薬企業各社のメルマガ/チャットボット/WEBディテーリングの導入状況を再調査しました。

調査対象19社

2022年5月にミクスonlineに掲載された21年度販売会社ベース企業売上ランキング(出典:IQVIA)より抜粋した19社19サイト(以下リストに記載)を調査の対象としています。

調査対象19社一覧
調査対象19社一覧

1)メールマガジンを配信している製薬企業一覧

今回調査した製薬企業19社中18社でメルマガ配信が実施されていました。残りの1社では医療従事者向けサイトの会員登録に他サイトの会員パスを導入しており、前回同様メルマガ配信の有無は不明です。

配信する内容は、サイト更新情報やおすすめコンテンツの案内、自社製品情報、WEBセミナー・イベント案内が主です。会員登録時に、関心ある疾患領域を選べる企業も多く、配信内容は診療科や興味ある分野により、カスタマイズされてきています。日々多くの情報に触れる医師にとって、必要とする情報が的確に届くメルマガが求められそうです。

製薬企業19社のメールマガジン配信状況

2)各製薬企業のチャットボット導入状況と活用シーンは?

医療関係者向けサイトでのチャットボット導入は、今回調査した19社中14社で実施済みでした。チャットボットの主な使用目的は、製品情報の検索補助としている企業がほとんどです。全製品を対象としている企業や、1年前の調査時よりも対象製品数を増やした企業が多く見られました。

利用方法は、定型メニューから製品や質問内容を選択するもの、フリーテキストで質問を入力するものとさまざまでした。チャットボット開始時には、個人情報や有害事象情報に関する注意事項の提示、情報収集の同意、職業選択を必要とするものも見られました。チャットボットの活用は、医師や薬剤師がWEBで簡単かつ適切に製品情報を調べられ、処方のヒヤリハットを未然に防ぐ一助となり得そうです。

添付文書や製品情報掲載箇所を提示するチャットボットがほとんどですが、選択する製品によって次に提示する質問候補が異なるチャットボットもありました。会員登録することで、MRへの連絡や資材発注可能とするチャットボットもあり、オンライン上で解決できる機能が高まっている印象を受けます。

製薬企業19社のチャットボット導入状況

3)各製薬企業のWEBディテーリングの導入状況は?

コロナ禍によりオンラインがメインであった情報提供活動も、最近ではオフラインとオンラインのハイブリッドな情報提供が主流となってきています。今回調査した19社の中では15社がWEBディテーリングを導入。WEBディテーリングを会員登録のみ利用可能としている企業も多く、実際にはほとんどの企業で導入していると予想されます。複数のWEBディテーリング機能を提供する企業もあり、オンラインでの情報提供の需要が高いことが分かります。

ほとんどが会員登録を必要としていますが、特定領域やMSLとの面談では会員登録なしで利用できるものもありました。利用対象のOSやブラウザを広げる、対象製品を増やす、前回面談時と同じ担当者を指名できるといった機能の充実が見られ、より医師が利用しやすいオンライン面談へと進化しています。面談者をリモート専任者としているところも多く、リモートならではの教育をした上での情報提供・意見交換の場として活用されているようです。

製薬企業19社のWebディテーリング導入状況

導入事例紹介

武田薬品工業(株)|チャットボットに蓄積データを最大限活用

武田薬品工業の医療従事者向けサイトでは、現在2つのチャットボットを導入しています。1つは、WEBサイト内の情報や製品内容を案内する「Takeda Concierge」です。項目にある質問内容を選択しチャットボットを開始するシステムで、他の製薬企業でも活用されているチャットボットと同様の働きをしています。
もう1つは、製品情報案内に特化した「DI-bot」です。製品情報を案内するチャットボットは、多くの医療従事者向けサイトで導入されていますが、「DI-bot」は、個々の製品ごとに、提示される質問の選択肢が異なるという特徴を持つチャットボットです。使用期限や安定性、副作用、添付文書といった一般的な質問候補の他に、製品によっては特殊症例や規制区分、薬価なども候補に挙げられていました。質問内容選択後も、さらに詳しい質問候補が提示されます。例えば用法用量を選択した場合でも、製品ごとに提示される質問内容が「飲み忘れた場合は?」「食事の影響は?」「切り替え方法は?」「術前後の休薬期間は?」などさまざまでした。
蓄積してきた製品Q&Aのデータを最大限活用したチャットボットと言えるのではないでしょうか。これまでの営業活動やサイト運営で得られた情報は、製薬企業にとって宝です。それをチャットボットへ活かしていくことが、医師や薬剤師の先生方の利便性向上へとつながりそうです。

アステラス製薬(株)|WEBシンポジウムをメタバースで開催

最新のデジタルテクノロジーとして注目されているメタバース。アステラス製薬は、2021年度よりメタバースを活用した講演会を試験的に運用してきました。本格的な運用としては、メタバースでの医師向けのWEBシンポジウム開催を2022年9月に報告しています。
リアルな講演会やシンポジウムでは医師同士の意見交換が盛んに行われてきましたが、リモートでは気軽なコミュニケーションは難しいものでした。しかしメタバース開催により、他の医師と共に仮想空間上で講演会を視聴でき、オンラインセミナーでは十分ではなかったリアル講演会のような臨場感が実現しました。
武田薬品工業では、社内交流会にメタバースを活用したと報告しています。「クロスイノベーションカフェ」と題したメタバース交流会では、趣味なども含め28のトークルームを用意。役職と名前だけを共有したアバターを用い参加することで、役職や年齢の垣根を超えた活発な交流が行われたそうです。最近はオフラインの活動も増えてきていますが、オンラインとオフラインの良さを兼ね備えたメタバースの活用は今後増えていくのではないでしょうか。

利便性の向上と最新のデジタルテクノロジー導入

今回の調査では、前回調査時と比較してメルマガ配信のカスタマイズ化・蓄積データを活かしたチャットボット運用・WEBディテーリング環境の拡大などがみられました。製薬企業各社で、医療従事者向けサイトの利便性が高まってきています。オウンメディアへの継続アクセスのためにも、情報の探しやすさ・サイトの使いやすさの工夫が求められそうです。
オンラインの快適さとオフラインの臨場感を活かした最新デジタル技術の導入は、話題性や満足度が高く、今後注目です。

<出典>※URL最終閲覧日2023.01.25
DI-bot,武田薬品工業株式会社,おくすりのQ&A DI-bot(https://www.takedamed.com/contact/ ※右下バナー)
ミクスOnline,株式会社ミクス, 2022.09.28, アステラス製薬 メタバース使った医師向けWebシンポジウムの運用を開始 対象領域や開催頻度拡大へ(https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=73672
世界に尽くせ、タケダ。,武田薬品工業株式会社,2022,タケダ初の開催となる「メタバース社内交流会」成功の舞台裏(https://www.240.takeda.com/article/01/

無料資料ダウンロード「製薬企業デジタルツール導入状況一覧​​ 2023年1月版」

今回調査した19社の詳細をまとめた情報は、無料のダウンロード資料よりご確認いただけます。下記フォームに必要事項をご記入の上、お申込みください。資料ダウンロード用URLをお送りいたします。

ダウンロード資料「製薬企業デジタルツール導入状況一覧​​ 2023年1月版」
・メルマガ配信(実施の有無/内容)
・チャットボット(実施の有無/名称/会員登録/利用方法/概要・導入範囲)
・WEBディテーリング(実施の有無/名称/会員登録/利用方法/概要・導入範囲)