2/20はアレルギーの日 - 製薬企業のアレルギー領域の疾患啓発サイトを調査【2023年2月版】
国民病とも言われるアレルギー疾患。日本人の半数が何かしらのアレルギー症状に悩まされていると言われています。IgE抗体が発見された2/20のアレルギーの日にちなみ、製薬企業が運営するアレルギー領域の疾患啓発サイトを調査しました。セルフチェックシートの活用やマンガでの解説、新しいコンテンツの表記など各社の工夫を紹介します。
アレルギー領域の疾患啓発サイトを運営している製薬企業一覧
日本ではアレルギー症状に2人に1人1)が悩まされていると言われており、国民病として重要な対策疾患に位置づけられています。アレルギーと言っても、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギー、ぜんそくなどさまざまな疾患があります。
本記事では、製薬企業オウンドメディア定期レポートで対象としている19社の中から、アレルギー領域の疾患啓発サイトを調査しました。アレルギー領域の疾患啓発サイトを運営している製薬企業は、19社中9社、16サイトでした。アストラゼネカではぜんそく関連で3サイト、小野薬品工業では花粉症・気管支喘息・小児ぜんそくの3サイトと、複数サイトを運営する製薬企業もあります。
アレルギー疾患は日々の生活での対策が大切なこともあり、日常生活や習慣へのアドバイスの発信が多く見られました。アレルギーを抱えながらも快適な生活を目指し、受診促進や症状把握に役立つセルフチェックシートのコンテンツがあり、疾患啓発だけでなく、患者支援の側面も強い印象を受けました。
また、記事作成日や監修者名を明記しているサイトが多く、正確さが求められる医療分野の情報発信において、信頼できる情報であるか確認できる表記も重要となっています。
記事内では、全16サイトのうち、アレルギー性皮膚炎、花粉症、ぜんそくを1サイトずつの計3サイトを紹介します。その他のサイトを含めた調査一覧については、ダウンロード資料を用意しています。ページ下部よりダウンロードください。
ファイザー「アトピーみらい」
優しい色使いやイラストが印象的で、トップページの動画からアトピー患者さんへの明るい未来に込めたメッセージを感じるサイトです。生活実態のデータや診察に向けてのアドバイスなど、アトピー患者の生活に寄り添う内容が多く盛り込まれています。「~~ですか?」「~~なの?」と質問や疑問での表記が随所に見られ、自分ごととして捉えやすく状況が想像しやすそうです。
「数字で知る、アトピー患者さんの実態」では、アンケート調査結果をイラストと%で表記し、一目で分かりやすい工夫が見られます。項目をクリックすると詳しい内容を知ることができ、「同じような悩みを持つ人がいる」と共感・安心できそうです。各地域の専門医からの動画メッセージも掲載しています。サイト下部には作成日を明記。2022年8月と新しい情報であることが分かります。
アトピーみらい
https://www.atopic-mirai.jp/
サイトディスクリプション
ファイザー株式会社が運営する、アトピー性皮膚炎患者さんとご家族向けの総合情報サイトです。
キーワード
なし
コンテンツ一覧
- アトピーについて知る
病態や原因・治療についてイラストを用いて解説
- 数字で知る、アトピー患者さんの実態
悩みや困りごとの実態を%で表しアドバイスも紹介
- 医師からの応援メッセージ
地域ごとに専門医からのメッセージ動画を配信
- ほんとの気持ちを上手に伝えるコツ
診察に向けての準備やポイントを紹介
協和キリン「花粉症ナビ」
メカニズムの解説にアニメーションを使用したり、ポップアップ機能で治療薬の詳しい説明をしたりと、伝わりやすさの工夫があるサイトです。口腔アレルギー症候群や子どもと大人の花粉症の違いを紹介するなど、深掘りした内容も魅力です。
「症状セルフチェックシート」は、5つ問いに答え花粉症か風邪かをまずは判定し、花粉症の可能性があれば、花粉症の重症度やタイプを判定する質問が追加表示されます。同社が運営する皮膚とアレルギーの情報サイト「かゆみナビ」にもセルフチェックシートが掲載されています。どちらのサイトにも、監修者紹介ページを用意。経歴だけでなくメッセージも掲載しています。
花粉症ナビ
https://www.kyowakirin.co.jp/kahun/index.html
サイトディスクリプション
協和キリンによる花粉症の鼻や目などの症状への対策や治療、花粉の予報、病院検索など、情報満載の花粉症の情報サイトです。
キーワード
花粉症ナビ,花粉,花粉症,対策,治療,予報,目,鼻,病院検索,協和キリン
コンテンツ一覧
- 花粉症の基礎知識
症状やメカニズム、原因物質・シーズンなどをイラストを用いて解説
- 目と鼻の症状と治療
目と鼻の症状についてイラストやアニメーションで解説。治療薬はポップアップで詳しく紹介
- 病院に行こう
受診前のアドバイスやセルフチェックシートを提供
- 自分でできる花粉症対策
セルフケアや間違った対策、NG習慣を紹介
- くすりの知識
治療薬の種類や剤型、使い方を解説。ポップアップ機能あり
- 花粉症ナビKIDS
子どもと大人での違いや保護者へのアドバイスを掲載
- お役立ち情報
オリジナルのSNS用プロフィール画像を提供
- 花粉症のための「舌下免疫療法」
舌下免疫療法についてQ&A形式で解説
- 症状セルフチェック
5つの質問後、深掘り質問を表示し花粉症の重症度やタイプを判定
アストラゼネカ「ぜん息外来.jp」
アストラゼネカでは、ぜん息の疾患啓発サイトを3つ運営しています。そのひとつである
「ぜん息外来.jp」は、日常生活に役立つ情報を多く配信しているサイトです。
人気マンガ「はたらく細胞」のぜん息編を掲載したり、LINEでぜん息情報を配信したりと、今の時代に合った情報を発信。LINEアカウントでは、同社が運営する「チェンジ喘息!」で提供している「喘息天気予報」や増悪予防のアドバイスの情報を配信しています。
質問の回答に応じてイラストの肺の状態が変化する「知ろう、あなたのぜん息コンディション」は、デジタルだからこそできる仕組みであり、一目で肺の状態を知れるコンテンツです。
ぜん息外来.jp
https://www.539zensoku.jp/
サイトディスクリプション
治療していても繰り返す あなたのぜん息症状 いつものこととあきらめていませんか?
キーワード
好酸球性ぜん息,重症ぜん息,喘息,ぜん息,好酸球,チェックリスト,専門医からのメッセージ,治療していてもくり返す,ぜん息症状,あきらめていませんか?
コンテンツ一覧
- ぜん息について
症状や治療について解説
- あなたのぜん息のタイプは?
重症度やタイプをガイドラインなどから紹介
- 知ろう、あなたのぜん息コンディション
10の質問に回答することで肺の状態を絵で表示。回答結果は印刷可能
- 患者さんの声
医師からの質問に答える形で体験談を掲載
- 専門医からのメッセージ
インタビュー形式で複数医師からのメッセージを掲載
- お役立ち情報
月別ぜん息情報や掃除のアドバイス、診察を促す内容を提供
- 医療機関検索
都道府県から医療機関を検索可能。一覧表示と地図表示があり
- チェックリスト
「はい・いいえ」の回答により、受診を促すチェックリスト
- はたらく細胞 ぜん息特別編
マンガ「はたらく細胞」を掲載。医師による解説付き
- 喘息治療サポートデスク
無料で利用可能の電話窓口を案内
- LINE
ぜん息に関する日常生活に役立つ情報を配信するLINEアカウントを案内
- ぜん息オンラインセミナー
過去に開催したオンラインセミナーの動画を配信
- 新型コロナウイルスのため外出できないぜん息患者さんへ専門医の先生からメッセージ
2名の医師からのメッセージを掲載
広く知られている疾患ほど、コンテンツ内容の充実が求められる
今回調査したアレルギー領域の疾患啓発サイトでは、日常生活の快適さ向上のポイントや診察に役立つアドバイスといったコンテンツが多くありました。国民病と言われ、広く周知されつつある疾患では、基礎知識以外の情報を豊富に盛り込んでいく必要がありそうです。
また、今回調査対象に含まれていないものの、塩野義製薬『鼻アレルギー日記』、マルホ『アトピーノート』といった治療サポートアプリ、アッヴィ公式Instagram『アトピー性皮膚炎に「あたらしい会話 自分らしい毎日」』、サノフィLINE公式アカウント『myアトピー』など、アレルギー領域で独自のアプリやSNSアカウントを運営している企業も多く見られました。サイトだけでなくSNSを活用した治療サポートも、今後ますます重要となっていきそうです。
本記事では調査対象の一部について紹介しましたが、さらに詳しいコンテンツ一覧など、今回調査した詳細な情報はダウンロード資料よりご確認いただけます。下記フォームに必要事項をご記入の上、お申込みください。資料ダウンロード用URLをお送りいたします。
ダウンロード資料「製薬企業のアレルギー領域の疾患啓発サイトを調査【2023年2月版】」
- アレルギー性皮膚炎 4サイト
- アレルギー性鼻炎・花粉症 4サイト
- ぜんそく 5サイト
- アレルギー 3サイト
(各サイトのサイトディスクリプション/キーワード/コンテンツ一覧/特徴)
<出典>※URL最終閲覧日2023.2.13
1)JAANet Station, 公益財団法人日本アレルギー協会, アレルギーの日・アレルギー週間(https://www.jaanet.org/week/)