【DL資料あり】6/5はロコモ予防の日-製薬企業の骨・関節領域の疾患啓発サイトを調査【2025年4月版】

【DL資料あり】6/5はロコモ予防の日-製薬企業の骨・関節領域の疾患啓発サイトを調査【2025年4月版】

骨や関節の疾患は、高齢化が進む現代において多くの人々に関わる疾患です。今回、3年ぶりに骨・関節領域の疾患啓発サイト調査を行いました。デジタル技術が急速に発展する近年、わずか3年の間にも新たなコンテンツを提供する企業が見られました。本記事では、各サイトの工夫や特徴をご紹介します。

骨・関節領域の疾患啓発サイトを運営している製薬企業一覧

人生100年時代といわれる現代、身体機能の低下を防ぎ、アクティブに生活することは健康寿命を延ばすためにとても重要です。介護が必要になった原因の第3位は骨折・転倒であり、要支援となった原因の第1位は関節疾患、第3位は骨折・転倒であると報告1)されています。このような背景からも、骨・関節疾患の治療や予防に関する情報は需要が高いといえるでしょう。

2022年にMedinewで実施した調査から3年が経過し、今回の調査では対象企業が数社入れ替わっていますが、20社中8社・15サイトが骨・関節領域の疾患啓発サイトを運営していました。
※調査対象は、2023年4月~2024年3月の販売会社ベース企業売上ランキング(出典:IQVIA)より抜粋した20社

骨・関節領域の疾患啓発オウンドメディア調査対象20社中8社・15サイト

リウマチに関する疾患啓発サイトが6サイトと最も多く、30歳以上の100人に1人が罹患している2)とされる注目の疾患であることが伺えます。また、疾患を問わず、サイトの構成やコンテンツには各社の工夫が見られました。

例えば、小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブが共同で運営する「リウマチTearoom」は、トップページに「○○な方へ」と状況別におすすめコンテンツを紹介するタブを設置し、スムーズにコンテンツを探せる工夫がなされています。また、小野薬品工業では病気や薬に関する情報サイト「ONO MEDICAL NAVI」で、構成を統一して複数の疾患情報を発信しています。このような統一した構成を用いることで、サイト作りの効率化が図れるでしょう。

ここでは15サイトのうち3サイトをピックアップして紹介します。その他のサイトを含めた調査結果はダウンロード資料をご用意していますので、ページ下部よりダウンロードください。 

中外製薬 おしえてリウマチ

関節リウマチに関する病態・受診・治療について、イラストを用いて分かりやすく解説したサイトです。特に病態解説のイラストが充実しており、疾患の理解をスムーズに深められます。疾患知識から治療までの流れが整理されており、リウマチについて体系的に学べる構成となっています。

「お役立ちツール」では、多彩な動画コンテンツを配信。医師による疾患解説動画は、スライド横に医師が立ち解説する構図であり、講演会を聴講しているような動画です。また、アニメーション動画や疾患啓発ムービー、リウマチ体操動画も用意されており、患者が治療や日常生活に役立てられる内容となっています。

さらに、コーポレートサイト内の「よくわかる抗体医薬品」へのリンクを設け、関連情報へスムーズにアクセス可能です。トップページ右上部には、見やすさ・使いやすさの設定ボタンを設置し、関節リウマチやパーキンソン病、白内障などの疾患ごとに最適化した閲覧設定ができる工夫がされています。例えば、関節リウマチの場合は、ボタンやリンクの幅を広く調整したサイト表示にカスタマイズでき、画面操作がしやすくなります。
 
おしえてリウマチ
https://chugai-ra.jp/
 

サイトディスクリプション

中外製薬株式会社が運営する関節リウマチの疾患啓発webサイトです。関節リウマチに関するさまざまな情報をご提供しています。

キーワード

中外製薬株式会社,chugai,関節リウマチ,Rheumatoid Arthritis,RA,寛解,Remission

コンテンツ一覧

  • 関節リウマチとは

病態や症状、原因について解説。セルフチェックリストの掲載もあり

  • 受診前の準備 どこへ相談すれば良いの?

症状の進み方や早期発見の重要性、専門医受診の促進についてのコンテンツを用意。用語解説や部位別発症頻度の図もあり。

  • いざ受診へ どうやって治療するの?

治療法や治療薬、生物学的製剤について解説。

  • 治療がはじまる 気をつけるべきことは?

製剤を選ぶポイントや副作用や注意点を紹介。外部リンクの紹介もあり

  • 治療を継続する 薬が効かなくなったら?

他の生物学的製剤への選択基準例について図を用いて解説。

  • お役立ち情報

疾患解説動画や応援ムービー、リウマチ体操動画を配信。 

第一三共 いたみの治療.com

痛みに関する啓発サイトで、変形性関節症や肩関節周囲炎について「原因を知る」コンテンツ内で解説。専門用語を避け、分かりやすい言葉で説明しています。

トップページでは、大コンテンツのメッセージをイラスト付きの吹き出し形式で掲載。各コンテンツの概要がひと目で分かるよう工夫がなされています。各コンテンツ内では、まず動画解説を掲載し、その後に文章とイラストで動画内容を解説する構成です。動画または記事の好みのコンテンツから知識を得ることができます。

「いたみのチェックシート」では、5段階評価で痛みの強さを記録し、クリックで発生部位を選択可能。アプリ「痛レコ日記」では、痛みの記録やグラフ化ができ、治療目標の設定、服薬・睡眠レベルの記録、服薬通知機能も備えています。サイト内の各ページには、これらのツールへのアクセスボタンがページ下部に固定表示され、スムーズに利用できる設計となっています。
 
いたみの治療.com
https://www.itami-chiryo.com/index.html
 

サイトディスクリプション

疼痛の情報サイトです。いたみの種類や原因、治療の選択などより良い治療のための基礎知識をご紹介します。

キーワード

コンテンツ一覧

  • いたみの種類

いたみの種類に関する解説動画と記事を掲載。医師にいたみを伝えるポイントの紹介もあり

  • いたみの原因

侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の原因について動画と記事で解説。侵害受容性疼痛の原因として、変形性関節症と肩関節周囲炎を紹介。

  • いたみの治療

治療の目標設定と薬物療法・その他の治療について動画と記事で解説。動画では治療による変化を医師へ伝えるポイントも紹介。

  • いたみの治療を始める方へ

いたみの種類を知る重要性や治療の違いについて、医師のメッセージとして紹介。

  • いたみの記録アプリ

いたみの記録やデータのグラフ化できるアプリを紹介。

  • いたみのチェックシート

いたみを5段階で評価し、発生部位を記録できるチェックシートを配信。

協和キリン くるこつ広場

「くるこつ広場」は、疾患に関する豊富なコンテンツを提供するサイトです。トップページでは疾患の代表的な症状や新着情報を掲載し、スピードチェックから相談シートや疾患解説コンテンツへのスムーズな誘導を行っています。相談シートでは気になる症状や血液検査の結果を記入可能。相談シートを受け取った医師へ向けた専門医への紹介を促す文言の記載があり、さらに医師向けの専門医相談サービスも提供3)するなど、専門的な情報支援も充実しています。
 
「診断された方へ」では、医師からのメッセージ記事を掲載し、治療継続の重要性や生活のアドバイスを紹介。「患者さん体験談」では、多くのケースを図とともに紹介し、各段階のポイントを整理することで、病気の流れを把握しやすい構成となっています。
 
無料の電話相談、市民公開講座など、患者支援にも力を入れています。また、XLH(低リン血症性くる病・骨軟化症)に焦点を当てたバーチャル展示では、世界中の患者へのインタビュー動画や疾患知識を深めるコンテンツを展示室ごとに紹介。国内外共通で活用できるIT技術を用いたコンテンツといえるでしょう。
 
X公式アカウントでは、サイト紹介や市民公開講座情報、バーチャル展示室の案内を定期的に発信し、「世界希少・難治性疾患の日」に合わせた情報発信も実施。繰り返し情報を届けることで、疾患への理解を促しています。
 
くるこつ広場
https://www.kurukotsu.com/
 

サイトディスクリプション

FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症に関する情報をお届けするサイト「くるこつ広場」。患者さんやそのご家族の方に疾患や診断、治療法などについてご紹介します。 - 協和キリン株式会社

キーワード

くるこつ広場,FGF23関連低リン血症性くる病,FGF23関連低リン血症性骨軟化症,協和キリン株式会社

コンテンツ一覧

  • くる病・骨軟化症とは

疾患の症状や原因、遺伝などについて解説。歩き方の特徴を表したアニメーションやよくある質問もあり。

  • くる病・骨軟化症 診断と治療

診断方法や症状が似ている疾患、治療法を紹介。骨折が起こりやすい部位も解説。

  • くる病・骨軟化症と診断された方

疾患別に医師からのメッセージを掲載。歯のケアの重要性も訴求。医療費助成制度の紹介コンテンツもあり

  • 患者さん体験談

くる病・骨軟化症と腫瘍性骨軟化症の体験談を、病気の流れや各段階でのポイントをまとめながら紹介。

  • こんなお悩みありませんか

さまざまな悩み別におすすめコンテンツを紹介。

  • 患者さん同士の交流

市民公開講座やバーチャル展示室など、患者支援コンテンツを用意。

  • 医療費助成について

利用可能な医療福祉制度について、図を用いて解説。

  • コラム

配信日を記載してコラム記事を掲載

  • 正しい診断のための相談シート

症状や検査値を記載できるシートを用意。かかりつけ医へ向けた、専門医への紹介を促すメッセージもあり

  • よくあるご質問

よくある質問を掲載。回答には関連するコンテンツへのリンクボタンあり

  • くるこつ電話相談室

看護師や保健師へ無料相談可能な電話サービスを紹介。

  • 医療機関を探す

病院検索ができる外部サイトのリンクを設置。

 

動画や展示コンテンツの工夫でサイト作りの効率化を

疾患啓発サイトでは、動画コンテンツの配信をするサイトも増えてきました。イラストやスライドを用いた動画コンテンツであれば、そのアイテムを活用し記事コンテンツを作成することで効率化が図れます。デジタルを活用した展示室やイベントも、印象に残るサイト作りに有効です。ただしコストや労力がかかるため、国内向けサイトのみへの発信となる場合、実現は難しい面もあるかもしれません。Webサイトは世界中どこからでもアクセスできるため、グローバル規模でのコンテンツ作りも検討していくと良いのではないでしょうか。
 
<出典>※URL最終閲覧日2025.4.16
1)厚生労働省, 2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf
 
2)リウマチ情報センター,関節リウマチ
https://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rheuma/
 
3)協和キリンコーポレートサイト,ニュースリリース, 2024年8月9日-FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症に関する医師専用 オンライン専門医相談サービス「E-コンサル」の利用開始-
https://www.kyowakirin.co.jp/pressroom/news_releases/2024/pdf/20240809_01.pdf
 

ダウンロード資料「製薬企業の骨・関節領域の疾患啓発サイトを調査 【2025年4月版】」
・骨・関節領域 15サイト
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