イベントレポート/11月6日~8日CIC Tokyoで開催!皮膚科領域のビジネスハッカソン「Hacking Dermatology」

2020年11月6日~8日、レオファーマ株式会社、CIC Tokyo、Venture Café Tokyoが共催し皮膚科領域におけるハッカソンイベント「Hacking Dermatology」が開催されました。会場は、東京最大のイノベーションハブ「CIC Tokyo」。30名以上の参加者が集い、3日間かけて「皮膚疾患患者さんのより良い生活のために」というテーマのもと、イノベーション創出に励みました。参加者の高い熱量とイベントデザインがうまく組み合わさり、学び・喜び・興奮が溢れるイベントとなりました。

「皮膚疾患患者さんのよりよい生活のために」を目指す3日間

「Hacking Dermatology」は、レオファーマ株式会社、CIC Tokyo、Venture Café Tokyoが共催する皮膚科領域におけるハッカソンイベントです。「皮膚疾患患者さんのよりよい生活のために」をテーマに、医療現場や患者さんのニーズ、悩みを知り、それに応えるビジネスモデルを作り上げることを目指します。

Hacking Dermatologyでは、皮膚科領域に詳しくない参加者でもビジネスアイデアを生み出しやすいよう、4つの皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、にきび、白斑、円形脱毛症)と4つのチャレンジトピック(治療薬・治療方法、病気の指標、身の回りのハック、デジタルツール)を設定。参加者は、これらの疾患、チャレンジトピックをテーマに、チームごとに自由にアイデア創出を行い、具体的なビジネスモデルを練り上げます。当日は、開業医や製薬企業、学生など30名以上の参加者が会場に集まりました。

3日間参加者をサポートし会場を盛り上げるファシリテーターは、自身もハッカソン参加経験や起業経験を持つ田中圭氏が務めます。

皮膚科領域に関するレクチャーとビジネスモデル作りのためのWS

1日目は本イベントで取り上げる4つの疾患について、京都大学大学院医学研究科皮膚科の中島沙恵子氏よりレクチャーがなされました。皮膚科領域に詳しくない参加者もいる中、疾患の特徴を知るだけでなく、皮膚科領域の課題はどこにあるのかを全員が知り・考える機会となりました。

ほか、1日目には本イベントの主催であるレオファーマ株式会社の黒田垂歩氏より、4つのチャレンジトピックについて解説や、実際に皮膚疾患を持つ患者さんのインタビュー動画上映なども実施。参加者各自が本イベントのテーマについて深く考え・アイデアを検討するきっかけを作りました。

2日目は、4つのワークショップを通して、ビジネスモデル作りのためのノウハウを学びます。最初のワークショップはVenture Café Tokyoの小村隆祐氏を講師に迎え、チームビルディングのためのマシュマロチャレンジを実施。

午前中2つ目のワークショップでは、(株)ツルカメ代表の森田雄氏による、エンパシーマップの作成をチームで行います。チームごとに、ターゲットとするペルソナ作成のための方法を学びました。
午後には、(株)OWLS代表の横山理佳氏によるMVPキャンバスのワークショップ、GiFT合同会社CEO藤倉礼亜氏のプレゼンテーション作成のためのノウハウを学ぶワークショップの2つを行い、さまざまな角度から参加者は学びを深めていきました。

イベント全体を通して、中島沙恵子氏、筑波大学 医学医療系教授の小栁智義氏といった専門家のメンター陣が各チームを回り、個別の相談に対応。専門家の視点によるアドバイスをもとに、ビジネスモデルをブラッシュアップしていきます。

皮膚疾患患者の生活を変える7つのビジネスアイデアが誕生

最終日の午後、各チームは、2日間かけて準備してきたビジネスアイデアを6人の審査員に向けて発表しました。初日はアイデアベースでしかなかった各チームのサービスや商品が、具体性と現実性をもってまとめられていました。
5分という短い発表時間の中、チームメンバーの原体験が織り交ぜられていたり、将来を見据えたロードマップを盛り込んだり、中にはプロトタイプを実際に作り上げて紹介するチームもありました。

最終発表では、「革新性」「現実性」「プレゼンテーション」の3つの軸で審査員は発表を評価します。6人の審査員による議論の末、最優秀賞1チーム、優秀賞3チームが選ばれました。

優秀賞には、以下の3つのサービス・商品が選出されました。
SeeME App:患者さんの過去から未来を”予測する”アトピー性皮膚炎患者さん向けアプリ
OLIVIA App:ニキビ患者のための治療情報リサーチアプリ
VOLIP:掻き壊し防止用のおしゃれネイルシール

最優秀賞には、「アトピー性皮膚炎患者向け痒み防止D2Cブランド展開」の商品を将来設計まで具体的に交えて発表したチームが選ばれました。「アトピーの痒み軽減機能搭載の寝具(ベッドパット)PiezoE PAD」のほか、ゆくゆくはインナーウェア、タイツなど日常生活で使用するアイテムに対応していくことを目指し、国内外への展開を想定した具体性のある発表で、審査員から高い評価を得ました。

「医療従事者と患者さん」以外をつなぐ新しい皮膚科領域の取り組み

医療領域に特化した一般向けのビジネスハッカソンの開催というものは、まだまだ日本では珍しい取り組みです。医療領域は専門的知識を必要とすること、規制が厳しいことから、一般参加者を交えたイベント自体が少ない業界でもあります。

恐らく日本初の、皮膚疾患に特化したハッカソンイベント「Hacking Dermatology」は、バックグラウンドも職種・肩書も異なる30名以上の参加者が集うことで、新しいアイデアが多数生まれました。「こんなものができたらいいな」という皮膚疾患患者さんのニーズに寄り添ったアイデアは、本イベントを通し起業家や皮膚科医など多数のプロによるアドバイスをもとにブラッシュアップされ、少しずつ形になっていきました。

参加者からはイベント終了後、「凝縮してビジネスプランってこういう風に作られていくのだな、というのがよくわかりました」「参加前には想像出来なかったような刺激がありました。5年後振り返ってみて人生の大きなターニングポイントだったのではと思うくらいの衝撃でした」といった声が寄せられ、参加者にとっても有意義な3日間となったことがうかがえます。

今回最優秀賞、優秀賞に選ばれたアイデアは、ここで終わりではなく、各種メンタリング・ネットワーキングによる事業化サポートを受けることになります。本イベントで生まれたサービス・商品がいずれ実際にリリースされ、皮膚疾患で悩む患者さんのよりよい生活に貢献することを期待しています。