Webで見直されるマンガの「伝える力」 プロモーションでの活用シーン&メリット

Webで見直されるマンガの「伝える力」 プロモーションでの活用シーン&メリット

「マンガが売れない」と言われる現代。マンガ誌の市場規模は、今やピーク時(1996年)の半分とも言われています。しかし実は、WEBの世界ではマンガの「伝える力」が見直され、カルチャーとしてはもちろんプロモーションツールとしても注目されているのです。電子媒体に舞台をシフトし、進化し続けるマンガの「今」をご紹介します。

大手出版社も大苦戦、 急速に縮小するマンガ誌市場

近年、マンガ誌の発行部数は減少の一途をたどっています。日本で最も売れている『週刊少年ジャンプ』(集英社)は、1995年に653万部という漫画雑誌の最高発行部数を記録しギネスにも登録されましたが、現在は200万部を割っています1)。さらに、2010年代に入ってからは、マンガ誌の休刊も相次いでいます。すでに2018年も、大ヒット連載を抱える大手出版社の看板誌や、数十年の歴史を持つ老舗誌などが休刊となりました。マンガは「クールジャパン」の代表的コンテンツであり、若年層はもちろん中高年層にも受け入れられたエンターテイメントだったはず。確かに「若者のマンガ離れ」という声も聞こえますが、マンガは本当に衰退してしまったのでしょうか。

紙からWEBへとシフトし、 マンガは進化を続けている

結論から言えば、衰退しているといったことはありません。今やマンガは、メディアの主軸を紙からWEBへと移して新たな展開を見せています。公益社団法人全国出版協会の発表によると、紙と電子を合算したコミックス(単行本)の市場規模は前年比0.9%減の3,377億円とわずかに減少。しかし、紙が同14.4%減の1,666億円となった一方で、電子は同17.2%増の1,711億円と成長を続けています。また、ヒットするマンガの新しい流れとして、SNSやブログ発のマンガが紙コミックス化されるというケースも増えています。個人的にTwitterに掲載したマンガが話題となって書籍化され、権威ある賞を受賞するといった事例も出ています。スマートフォンやタブレットの普及を追い風に、WEBの中でマンガは急成長コンテンツとなっているのです。しかも、コマを紙芝居のように動かすなど、デジタルならではの表現手法も導入され、エンターテイメント性はより高まっていると言えるでしょう。

「伝える力」を生かした プロモーション活用も

こうした流れを受け、WEBの世界では、マンガを使った広報・広告も多く目にするようになりました。

たとえば、自衛隊岡山地方協力本部では、WEBサイトに自衛隊の業務を紹介するオリジナルマンガを掲載しています。

また、外務省も、有名なマンガのキャラクターを用いた中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアルを出していますが、こちらはLINEとYouTubeをリンクさせた大々的な展開です。

もちろん、民間企業や団体でも、マンガを使ったWEBプロモーションは、いまや枚挙にいとまがありません。なぜ、WEBプロモーションにマンガが多用されるようになったのでしょうか。それは、 マンガには、以下のような「伝える力」があるからです。

|分かりやすい

文字と絵が一体化したマンガは、論理的な情報と直感的な情報を、相互補完的に伝えることのできるメディアです。また、難しい説明も、キャラクターの会話で行ったり、デフォルメや単純化した絵で必要な情報だけを見せたりすることで、分かりやすく伝えられます。

|目に留まりやすい

従来の「文章+画像」によるプロモーションは、その情報に興味を持っている人以外には素通りされてしまいます。しかしマンガは、何となく面白そうな感じがして、つい見てしまうことも多いもの。つまり、もともと興味のなかった人にも、情報を伝えるチャンスを得られるのです。

|身近に感じさせる

子どもの頃から見慣れているマンガは、それだけで親近感があるもの。さらに、情報を伝えたいターゲットが共感できるキャラクター設定にすることで、ターゲットに身近な情報として伝えることができます。

|飽きさせない

マンガはストーリーを持っているため、プロモーションの背景にある「物語」も併せて伝えることが容易です。起承転結や喜怒哀楽、マンガ表現ならではの心象表現などを駆使して、流れやメリハリをつけられるため、飽きさせることなく多くの情報を伝えられます。

商品紹介からリクルーティングまで、 多様な目的にフィットするマンガ

では、マンガの「伝える力」は、具体的にどういった目的で力を発揮するのでしょうか。実際にWEBで見かけたものとして、以下のようなコンテンツがあります。

|商品・サービス説明

文章や画像だけでは特徴が分かりにくい商品の特徴や価値を、ストーリー仕立てで訴求。悩みを抱えた主人公が、商品を使ったことで悩みを解決する、といった「問題解決型」のストーリーで興味を引き、説得力を付加。

|事業案内・リクルーティング

就職活動中の学生などに向けて、事業内容や業界事情、仕事のやりがいなどを分かりやすく訴求。親しみのある表現で伝えることにより、「堅苦しい」「キツそう」などのネガティブなイメージを払拭する効果も。

|体験談・事例

商品やサービスの使用感や活用効果などを、リアリティのあるストーリーで訴求。具体的にイメージしやすくすることで、購入(利用)を考えているユーザーの判断を後押し。

|ヒストリー

歴史ある企業のこれまでの歩みや、商品・サービスの開発ストーリーなどを、マンガならではの手法を用いて感動的に訴求することで、好感度をアップ。

|ラーニング

企画の立て方や営業方法など、ユーザーの業務に役立つ知識や情報を分かりやすく提供。連載形式にすることで、ユーザーの「もっと知りたい」意欲を掻き立て、WEBサイトへのリピートを促進。

単なる話題づくりではない実質的な効果を発揮

さまざまなプロモーションに活用できるWEBマンガですが、具体的にどのように発信していったら良いのでしょうか。自社HP、商品・サービスのLP、FacebookやTwitterなどのSNS、HTMLメールなど、ひと口に「電子メディア」と言っても、活用シーンは多種多様です。それぞれの特長を理解し、それに合った情報を発信していくことが、単なる「話題づくり」を超えて、実質的な効果を得るポイントとなっているようです。

まとめ

紙媒体という側面で見ると衰退しているように思えるマンガですが、実は、舞台をWEBにシフトして成長を続けています。特に、プロモーション展開での活用は、マンガとビジネス両方の可能性を拡大していると言えそうです。今後、WEBマンガは、エンターテイメントコンテンツとしてだけではなく、プロモーションコンテンツとしての活用も増えていくのではないでしょうか。

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