デザインはどうやって作られる?より良い制作物を作るために発注者ができること

デザイナーというと、絵が得意で、デザイン案は感覚でパッと思いつく人というイメージがある方も多いのではないでしょうか。しかし、デザイナーは多くの情報を整理し、論理的思考を用いて制作しています。そのため、より良い制作物を作成するためには、デザイナー側だけでなく、発注者がどれだけデザイナーに情報を共有できるかが肝になります。
本記事では、デザイナーはどのように制作物を作成しているのか、デザイナーにどのような情報を共有しておくと、より良い制作物を作成できるのかをご紹介いたします。

デザイナーのデザインプロセスと必要な情報

では具体的にどのような情報を、どのようなプロセスを経てデザインへ落とし込んでいるのか、また、そのプロセスの中で発注者はどのような情報をデザイナーへ共有しておくと良いのかをご紹介します。

1.情報の整理

多くの方はおそらく、デザイナーがデザインをする際、いきなりPCで制作へ進めていくイメージがあるかもしれません。確かに、情報の整理と並行してPC上でプロトタイピングしたりする場合もあります。しかし、クライアント先から制作を依頼された際、デザイナーは、まず、以下の情報の整理を行います。

制作物の仕様

制作物の種類
チラシや冊子なのか、ランディングページなどのウェブサイトなのか、製品の包装なのか、など。

制作物のサイズと量
チラシを制作する場合A4ページ1枚を制作するのか、サイトを作る場合何ページ作成するのか、など。

制作物のスケジュール
いつまでに納品を行えば良いのか、納品を滞りなく行うためにどのようなスケジュール感で進めれば良いか、など。

制作物の内容

When「いつ使用するのか」
何月何日に使用するのか、単発で行うものなのか、繰り返し行うものなのか、シリーズもので継続していくものか、など。

Who「誰に向けてなのか」
医師向けなのか、患者向けなのか、社内へ向けてなのか、など。

Why「なぜ制作するのか」
告知目的なのか、集客目的なのか、製品・サービス紹介目的なのか、など。

What「何を伝えたいのか/アピールしたいのか」
サービス紹介などの場合であれば、新しくサービスが誕生したことを伝えたいのか、使いやすいことを伝えたいのか、など。講演の集客などの場合であれば、講演内容をアピールしたいのか、豪華な講師陣をアピールしたいのか、など。

Where「どこで使用するのか」
病院内のロビーに置いて使用するものなのか、MRが医師との面談時に使用するものなのか、社内プロジェクトの資料の一部として使用するものなのか、など。

How「どのように使用するのか」
ランディングページなどのWEBサイトと一緒に使用するのか、医師が患者への説明するために使用するものなのか、MRが医師への営業ツールとして使用するものなのか、など。

Do「どうしてほしいのか」
会員登録してほしいのか、イベントへ参加してほしいのか、など。

発注者がデザイナーに共有しておくと良い情報

「医師向けに、〇〇についてA4サイズのチラシを作成してほしい」といった依頼の方法でも、デザインを作成することは可能です。しかし、さらに良い制作物を作成してほしい場合には上記の5W1H+Doを細かくデザイナーに共有することをお勧めします。

例えば、「医師向けに、新製品についての講演会のチラシを作成してほしい」という依頼を

  • 4月開催(When)
  • ターゲットは医師(Who)
  • 新製品についての講演会を開催する告知をしたい(Why)
  • 講演者には権威ある医師を呼んでいるため、そこを訴求ポイントとしたい(What)
  • 医師との面談時(Where)に手渡しで告知を行っていく(How)
  • 講演会への参加はWEB登録が必要なため、WEBサイトへアクセスするように促したい。(Do)

と伝えるとデザイナーは「4月開催であれば、春らしいあしらいが良いのではないか」「権威ある医師を訴求ポイントとするのであれば、医師紹介のスペースを多めに取った方が良いのではないか」「WEB登録フローを載せた方が分かりやすいのではないか」と、成果を最大限にするための判断をより細かく行うことができます。

2.トンマナの検討

情報整理をある程度完了したのち、デザイナーはデザインのトンマナを検討します。トンマナとは、「トーン&マナー」の略で、デザインに一貫性を持たせるために定義する全体の雰囲気のことを指します。例えば、「重厚感のある感じ」「未来感のある感じ」などです。またそれを表現するために、メインで使用する色、書体(フォント)や文字の大きさ、写真かイラストか、余白の大小などの見当を付けていきます。

発注者がデザイナーに共有しておくと良い情報
制作物をユーザーが見た際、「どのような印象を持ってほしいか」「なぜそのような印象を持ってほしいのか」をできる限り具体的に伝えることをお勧めします。
例えば、「10周年の歴史があるイベントのため、歴史ある重厚感のある印象を持たせたい」「画期的な新製品紹介のため、安全性と信頼感だけでなく、未来感のある印象を持たせたい」などです。
文章だけでなく、画像などを使用してのイメージ共有も有効です。
イメージを探す際は以下のサイトがお勧めです。

参考 PinterestPinterest WEBサイト上にある画像を集めてブックマークができるサービス。WEBデザインからグラフィックデザインまで、さまざまなイメージを探すことが可能です。

参考 SANKOU!SANKOU! 国内のクオリティーの高いWEBサイトを集めたサイト集。多くのカテゴリからサイトを探すことが可能です。

参考 MUUUUU.ORGMUUUUU.ORG 国内外問わず、クオリティーの高いウェブサイトを集めたサイト集。多くのカテゴリからサイトを探すことが可能です。

3.レイアウト検討・作成

情報整理とトンマナの検討をした後、やっとデザイン案の作成へ取り掛かります。しかし、ここで皆さんが最終的に見るような、色や装飾を付けたものを作成するわけではありません。デザイナーにもよりますが、まずはどこにどんな要素を配置するのか、手描きでレイアウトを作成します。

発注者がデザイナーに共有しておくと良い情報
もし文章や詳細な内容が決まっていなかったとしても、何文字程度の文章が入るのか、どんな画像を入れたいのかはできる限り共有することをお勧めします。
デザイナーは、時にミリ単位でレイアウトを考えています。そこに、予定外の文章量が入ったり、要素が増えたりすると、また一からレイアウトを考えなければならない場合があります。
制作物が滞りなく納品されるために、後で追加するかもしれない要素は事前に共有すると良いでしょう。

4.実制作作業

手描きでレイアウトの構成を決めた後、ツールを使ってデザイン案の作成へ入ります。ここでやっとデザイナーから提出されるような、色や装飾が付いた制作物を作成していきます。

発注者がデザイナーに共有しておくと良い情報

もし、制作物にロゴやブランドカラーを使用する場合には、ブランドガイドラインを共有しましょう。ブランドガイドラインとは、ブランドに一貫性を持たせるため、ロゴや色、フォントなどの各種の扱い方や使用に関する注意点をまとめたものです。

5.デザインの修正

デザインの作成が完了・提出した後、多くの場合修正作業が発生します。文字修正のみの場合もあれば、イメージが違う場合はまた一からデザイン案を作成する場合もあります。

発注者がデザイナーに共有しておくと良い情報
もし、イメージと違うデザイン案がデザイナーから提出された場合、5W1H+Doや「どのような印象を持ってほしいか」「なぜそのような印象を持ってほしいのか」がうまく共有できていなかったことが考えられます。(単純に、デザイナー側の技術不足の場合もあります。)手戻りを起こさないためにも、再度デザイナーへ5W1H+Doや印象についてのすり合わせを行うことが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。より良い制作物を作成するには、すべてをデザイナーに任せるのではなく、デザイナーへ情報を共有し、互いにより良い成果物が出せるよう協力し合うことが大切だということがお分かりいただけたかと思います。ぜひ、今後の参考にしてみてください。