【業界最新動向】医師とのタッチポイントの一役を担うLINE WORKSがVeeva CRMとデータ連携可能に

2022年1月19日、LINE WORKSとVeeva CRMのデータ連携をテーマとした「ライフサイエンス業界におけるLINEを活用した新しい顧客接点とその活用方法」と題したオンラインセミナーが開催されました。セミナーに登壇された、Veeva Japan(株)カスタマーサクセス部マネージャーの西田竜太氏、ワークスモバイルジャパン(株)シニアソリューションスペシャリストの荒井琢氏、(株)PHONE APPLIセールスフォースカスタマーサクセス部長の古川いずみ氏に、LINE WORKSとVeeva CRMのデータ連携の背景と具体的な方法についてお聞きしました。

製薬業界で導入が進むLINE WORKS

―どのような経緯で「LINE WORKS」とVeeva CRMの連携がスタートしたのでしょうか

Veeva Japan(株)西田竜太氏:製薬会社では以前から医師とのコミュニケーションにLINEを利用しているMRが少なからずいましたが、本社側では医師とMRのやり取りを把握することができず、コンプライアンスの観点から問題意識を持っていました。そこで2019年4月に開催したVeeva CRMユーザー会に、ワークスモバイルジャパン様をご招待して、医師や医療従事者とのコミュニケーションに、LINE WORKSが使えるのではないかという内容で講演をしていただきました。ビジネスチャットという形態でソリューション紹介をいただき、会員の製薬企業各社からも高評価をいただいたという経緯があります。その後、実際にLINEWORKSを導入される製薬企業が徐々に増えていきました。

ワークスモバイルジャパン(株)荒井琢氏:LINE WORKSは、日本国内の8,900万人以上のLINEユーザーともつながるマーケティングチャネルとして使えることから、生命保険や自動車、不動産などのさまざまな業界から注目を集め、導入されてきました。他業界での導入と成功事例が出てきたことで、製薬業界各社でも、MRと医療関係者、ドクターとのチャネルの1つとして、LINE WORKSが注目され、導入される動きが加速してきました。Medinewでも、中外製薬様の事例が紹介されていますが、その他にも田辺三菱製薬様やあすか製薬様、アストラゼネカ様でも導入いただいています。既にLINE WORKSとつながっているLINEユーザーは1,400万人と、「LINE WORKS」はマーケティングチャネルの1つとして、確固たるポジションを得たと思います。

今回のVeeva CRMとのデータ連携のように、社内の商談・顧客管理システムとLINE WORKSとのデータ連携は、生命保険や自動車、不動産などのLINE WORKSを導入した企業のIT部門の方から、社内に導入されている商談・顧客管理システムに、LINE WORKSとLINEユーザーのお客様とのやり取り、いわゆる商談ログを連携させたいという要望をいただき、取り組みを進めてきました。

PHONE APPLIのサービスを中間コネクタとしてVeeva CRMとデータ連携

―LINE WORKSとVeeva CRMは、どのようにしてデータ連携するのでしょうか

(株)PHONE APPLI 古川いずみ氏(以下、古川氏):PHONE APPLIは、バラバラに管理されている社員やお客様の名刺の情報を一か所にまとめるクラウド型のWeb電話帳を主な商材としているIT会社です。約2,500社の企業様に導入いただいています。このWeb電話帳には、Salesforce上でリードや取引先と連携して、名刺情報や社外連絡先をSalesforceに自動登録できる機能があります。その後リリースしたLINE WORKS連携オプションでは、営業の方とお客様がLINEでやり取りした商談ログを、Salesforceの活動履歴に自動登録できるようにしました。

LINE WORKSとVeeva CRMのデータ連携は、LINE WORKS連携オプションと同様に、商談ログをVeeva CRMの活動履歴に自動登録します。LINE WORKSとVeeva CRMの間に、PHONE APPLIが中間コネクタになりシームレスに連携する役割を果たすことで、MRの方々のLINE WORKSと医療従事者、ドクターのLINEでやり取りした商談ログをVeeva CRMの活動履歴に自動登録できるようになりました。

2022/01/19開催セミナー「ライフサイエンス業界におけるLINEを活用した新しい顧客接点とその管理方法」投影資料抜粋

Veeva連携機能の運用ポイントは2つ

―LINE WORKSとVeeva CRMのデータ連携は、どのように運用するのでしょうか

古川氏:LINE WORKSとVeeva CRMのデータ連携では、「アカウントの紐付け」「トーク履歴の連携」という2つの運用ポイントがあります。

まず、「アカウントの紐付け」です。医療従事者、ドクターのLINEアカウントとVeeva CRMのレコードを紐付けます。この紐付けは、MRの方などLINE WORKSユーザー様と医療従事者、ドクターなどのLINEユーザー様が「友だち」になっていただくところからスタートします。
「友だち」になったLINEユーザーをMRの方などLINE WORKSの画面でアドレス帳に新規登録すると、botがそれを検知して、「LINEアカウントの〇〇さんをVeevaに連携してください」と、紐付けを促すメッセージが届きます。ここで、「既存のレコードに紐付ける」をタップすると、「既存のレコードの検索ワードを入力してください」とメッセージが出ます。相手の方のお名前や施設名などのキーワードを検索ワードとして入力すると、Veeva CRMの中に保存されているレコードを検索して対象の候補が出てきますので、この中から「友だち」になった方をタップして紐付けを行っていただきます。
紐付けを修正したい場合は、一旦元のbotのところに戻るためにメッセージを検索して、再度紐付けし直すというフローになります。

2022/01/19開催セミナー「ライフサイエンス業界におけるLINEを活用した新しい顧客接点とその管理方法」投影資料抜粋

「アカウントの紐付け」は、基本的にLINE WORKSユーザーごとにLINEアカウントとVeevaレコードで1対1になります。同じLINEユーザーが2人以上のMRの方、つまり別のLINE WORKSユーザーと「友だち追加」をした場合も、LINE WORKSユーザーが違うので、LINEアカウントとVeevaレコードの紐付けは可能です。また、LINEアカウントを2つ以上お持ちの医療従事者やドクターがいた場合も、「友だち追加」すると、LINEアカウントが違うので、LINEアカウントとVeevaレコードの紐付けができます。また、医療従事者、ドクターが異動しVeevaレコードが変更になった場合も、新たに連携し直すことができます。

2022/01/19開催セミナー「ライフサイエンス業界におけるLINEを活用した新しい顧客接点とその管理方法」投影資料抜粋

次に、「トーク履歴の連携」です。Veevaレコードに紐付けを行った後、LINE WORKSでやり取りをした内容は、Veeva CRMのタイムライン上に表示されます。活動オブジェクトとタイムライン、それぞれ設定で表示する場所を選ぶこともできます。連携対象となるデータも、MRの方が送信したトーク内容、そして受信したトーク内容、両方を表示することもできますし、送信した履歴は残したいが、相手の医療従事者やドクターから送られた内容は保存したくないといった場合には、受信の内容は連携データの対象外にすることも可能です。

トークの部分は、トークがスタートした日時、それから宛先の名前とラインID、それから送信者の名前とラインID、下の明細部分には、日時とメッセージの内容が表示されます。この連携は、デイリーや1時間ごとにまとめて更新するなど、頻度を設定できます。

2022/01/19開催セミナー「ライフサイエンス業界におけるLINEを活用した新しい顧客接点とその管理方法」投影資料抜粋

そのほか、LINE WORKSでやりとりしていたドクターのアカウントと連携する「友だち紐付け」設定が管理画面から行えます。新しく友だちになった医療従事者、ドクターがVeeva CRMの既存レコードにない場合は、新しいレコードを新規作成することを許可するかしないか、紐付けするレコードがない場合に、「紐付けしない」という選択肢を表示するか設定できます。

2022/01/19開催セミナー「ライフサイエンス業界におけるLINEを活用した新しい顧客接点とその管理方法」投影資料抜粋

この内容は、以下の動画でも確認できますので、ぜひご覧ください。

Veeva連携は簡易な設定ですぐ活用可能

―Veeva CRM連携機能の導入方法をお教えください

古川氏:LINE WORKSとVeeva CRMのデータ連携を導入する動作環境は、LINE WORKS有償版(Liteプラン以上)、Veeva CRM(Unlimited以上)です。これらの環境に、PHONE APPLI PEOPLE for Salesforce(LINE WORKS連携オプション、Veeva連携オプション付き)を導入することで、LINE WORKSとVeeva CRMのデータ連携ができるようになります。

PHONE APPLI PEOPLE for Salesforceは、全社でお使いただけるWeb電話帳の機能があるアプリケーションです。LINE WORKS連携オプションは、LINE WORKSとLINEのトーク履歴をSalesforceの活動履歴に自動記録するオプションアプリです。そこにVeeva CRMとのデータ連携のためのVeeva連携オプションのアプリを追加します。この3つのアプリケーションはそれぞれSalesforceのAppExchangeからダウンロードできます。

添付されているマニュアルに従ってインストールしていただければ、導入は完了します。イメージとしては、一般的なアプリケーションと同様にマニュアルに従って作業を進行すれば簡単に導入でき、すぐに利用いただけます。注意点としては、Veeva CRMの方で多少のコンフィグレーション(設定)が必要になりますので、外資企業ですとこうしたコンフィグレーション自体をグローバルに集中させている場合があり、その場合には作業自体が日本国内では対応できないので、社内的な調整が必要になるかもしれません。

このパッケージの導入コストは、Veeva CRMのユーザー様お一人あたり、月額1,000円です。今後、導入された製薬企業様からのご要望は、この月額1,000円の使用料の中で、バージョンアップしながら対応していきたいと考えています。

製薬企業におけるデータ連携のメリットとは

古川氏:医師とのタッチポイントの一役を担うLINE WORKSでのトーク内容をVeeva CRMとデータ連携することで、MRの働き方改革はもちろん、トーク履歴の可視化により、さらに付加価値の高い営業活動が可能になります。LINE WORKSとVeeva CRMのデータ連携は、製薬業界の中で急激に進むオムニチャネルマーケティングを支える強力なツールとなることでしょう。

<参考> ※最終閲覧日2022年2月24日
・「ワークスモバイルジャパン、「LINE WORKS」の最新実績数値を発表 1年で約15万社増加し、導入社数「35万社」 利用者数「400万ユーザー」に急成長」,LINE WORKS,2022/01/19. https://line.worksmobile.com/jp/pr/20210119_2/