MDMD2021レポート/医師・学会・論文データベースを集約した新サービス Doctorna(ドクターナ)

2021年9月に開催された、Medinew主催のオンラインカンファレンス「Medinew Digital Marketing Day2021(MDMD2021)」。全12セッションを通して、ビジネス関係者や業界有識者が、最新の製薬マーケティング事例やデジタルソリューションなどを紹介・ディスカッションしました。本記事では、株式会社医薬情報ネットが提供する、医師リサーチに活用できる新たなサービス「Doctorna(ドクターナ)」が紹介されたセッション「医師・学会・論文データベースを集約した新サービス Doctorna」の内容をレポートします。

医師ターゲティングとMRの営業活動を支援する2つの医師情報データベース

医薬情報ネットではデータベース事業として、学会情報データベース、論文情報データベースを提供しています。

学会情報データベースは日本国内の1,400学会を対象に、抄録集やプログラムなどを集約しデータベース化。2021年にリリースした論文情報データベースは、MEDLINE内の日本人著者を含む情報をデータベース化しています。この2つのデータベースの情報は、アルトマーク社のDCF(Doctor Computer File)コードと紐付け、製薬企業で活用されている顧客コードと突合できる点が大きな特長です。

医薬情報ネットが提供する学会情報データベース、論文情報データベースの2つのデータベースは、製薬企業の顧客となる医師ターゲティングと、MRによる営業活動のサポートに役立てられます。

MRの営業活動支援としては、担当医師の活動情報・タイミングを逃さずキャッチできます。例えばCRMツールと学会情報データベース、論文情報データベースを連携することで、MRは自身のiPadなどの端末から、担当医師がどのタイミングで学会発表したか、どのような論文をいつ発表したか、などの情報がアラートで通知され、担当医師の活動状況を把握するだけでなく、医師への情報提供の最適化にも役立てられます。

定量的な結果や客観性が求められる医師ターゲティングもサポート

学会情報データベース、論文情報データベースはともに、人物単位のターゲティングを可能とします。直近3年間において、20製剤以上で延べ20,000名以上の医師のリスト作成と重みづけを行い、医師のランキングを作り、製薬企業や医療機器メーカーにデータを提供してきました。

これまで、ターゲットリストの作成は、MR担当者の経験やデスクトップリサーチによってキーマンを抽出することが主流でした。このとき、MR担当者のフィードバックを参考にリスト作成すると、営業上の付き合いでバイアスがかかるなど、属人的なターゲティングになってしまうというデメリットがありました。

そんな製薬企業の「学術情報を網羅した上でターゲット医師を抽出したい」「定量的に把握したい」「客観的データから重み付けをしたい」というニーズを受け、学会情報データベース、論文情報データベースが誕生しました。学会情報と論文情報のデータと顧客コードを突合して、特定の薬剤に対しての疾患などのキーワードによる重要指標を抽出し、ランキング化し、提供しています。

学会情報は、特定キーワードを含む演題の登壇回数、第1演者の回数、ランチョンセミナーやスポンサードセミナーの回数などを紐付けています。医師の名前、所属の施設、スコア、学会と論文のデータベースから抽出した回数などを並び替えて、ランキング化した結果をExcelデータなどで納品するサービスです。

製薬企業の医師ターゲティング支援で生じる3つの課題

このようなデータベースサービスは好評をいただいているものの、特に医師ターゲティング支援を行う上で3つの課題があります。

1つは、リサーチに時間がかかるという点。受注から納品までの期間はおよそ1.5カ月~3カ月ほどが必要となります。製薬企業の保有する顧客データと論文や学会のデータベースをマッチングし、集計後にクレンジングなどを行うためには、一定の期間と費用がどうしても発生します。治験データの追加を反映すると、さらに工数やコストが増加します。

次に、分析用のデータ集計に工数がかかるという点。製薬企業が自社で医師のデータを収集する場合には、デスクトップリサーチで調べると、膨大かつ煩雑な工数がかかることとなります。また、データの漏れが生じる可能性やデータが正しいのかどうか判別できない不安も生じます。

そして、最新情報をキャッチアップできないという課題が挙げられます。医師の論文発表、学会発表を逃さずキャッチし常にアップデートをしていくことは難しいでしょう。KOL (Key Opinion Leader)のリストを作成しても、毎年更新したり、競合企業のKOLまで把握したりは難しいといった課題が考えられます。

医師のリサーチに対する課題を解決するDoctorna(ドクターナ)

このような課題を解決するべく、医薬情報ネットは「Doctorna(ドクターナ)」というサービスを2021年12月にリリースします。

Doctornaは、1カ月かかっていた医師のリサーチをわずか1時間に短縮します。ブラウザでIDパスワードを打ち込んでログインした後、ドクターの分析を可能にするダッシュボード型のクラウドサービス(SaaS、Software as a Service)です。

Doctornaは、学会情報データベース+論文情報データベースに、ミーカンパニー株式会社が所有するSCUEL DATABAS(スクエルデータベース)を追加して、日本で唯一、「医師情報」「病院・診療所情報」「学会情報」「論文情報」が紐づいたデータベースです。ビジュアライズおよび分析しやすいロジックを採用しており、人物と情報を紐づけたダッシュボードを提供します。

医師・学会・論文の情報を統合しランキングを作成するDoctorna

SCUEL DATABASEは医師情報28万人以上、病院情報8,400施設であり、おおよそのKOL情報をカバー。学会情報は2016年以降の日本国内の主要150学会、論文情報はMEDLINE登録の日本人医師50万報以上のデータを収載しています。

28万人以上の医師データは、資格、学科、役職、外勤表、タグなどで絞り込みが可能です。また、キーワードから独自の医師ランキングが作成でき、ランキングで使用している各指標の重み付けは、目的に応じて自由に変更可能です。

また、Doctornaには専門用語の辞書を搭載し、キーワード検索を支援。同義語を自動判定してキーワードグループで検索する仕組みを設けています。

「これからスペシャリティの薬剤が増えていく中で、特定のキーワードから先生を選びたいニーズが見込めます」と金子。「今まで医薬品のマーケティングにおいてKOLはひとりでした。しかし、現在の製薬マーケティングにおいて、安全性の分野に関してはこの先生がいい、医療連携ならこの先生など、スペシャリティが細分化していることを痛感しています。目的に合わせて医師を探そうとしたとき、ランキングの重み付けが役立つのではないでしょうか」と話します。

さらに最適な製薬マーケティングをサポートするため、Doctornaには、特定のキーワードや医師のアクティビティを登録しアラート配信機能も搭載しています。メディカル・アフェアーズやプロダクトマネージャーなど、製薬マーケティング担当者にとって大切な医師の活動情報を、アラート機能で逃さず受動的に取得できます。

検索支援機能で多様な医師データ抽出を瞬時に行う

続いてセミナーでは、開発中のDoctornaのデモンストレーションを行いました。キーワードを入力すると、ポップアップウインドウが開きます。例えば、「乾癬」と入力すると候補と関連するキーワード群が表示されます。ボタンひとつで設定した指標で医師のランキングが生成され、特定の医師がどのような学会でどれぐらい発表していたか、可視化できます。

カードビューでは、学会の重み付け、論文の監修や最終著者といった重み付けをスライダーで操作できます(下図)。医師の勤務地のエリアを、都道府県で絞り込むことも可能。いわゆるAOL(Area Opinion Leader)として、特定のキーワードから地域においてスペシャリティの高い先生をフィルタリングできます。

さらに、大学卒業年次での医師の絞り込みも可能。将来性のある若手医師の絞り込み抽出もでき、製薬企業が自社で今後ターゲットとすべき若手医師の把握にも役立ちます。

多様な検索、人間関係図、CRM連携などを実装予定

リリース後、物名や施設名から医師情報を閲覧できる機能、学会検索、論文検索、人物ごとの職種や肩書きのタイムライン表示、といった機能の実装も予定しています。

例えば昨今、多くの製薬企業からニーズが多く寄せられている機能として、人間関係図が挙げられます。学会情報データベースと論文情報データベースに基づき、医師同士の師弟関係をはじめ座長演者のつながり、講演や論文を毎回のように行っている実績をビジュアライズ化して、人間関係図としてフィルターをかけられる機能提供を検討しています。

また、MRの活動にも役立てられるようCRMツールと連携するほか、APIと連携してデータや画面を統合する機能、治験データや学会の委員会など要望の多いデータの追加など、機能・データベースともに拡充を考えています。

Doctornaによる医師ターゲティングで最適な製薬マーケティングをサポート

これまで、医師のターゲットリストを作成するためには、抄録集の紙に付箋を貼るなど地道な手作業や、煩雑な工数がかかっていました。Doctornaは医師ターゲティングに必要なリサーチ業務を効率化し、いつでも医師の情報にアクセスすることを可能に。製薬マーケティングに必要な医師情報を素早く、かつ十分に提供できるサービスの実現を目指します。


本セミナーで紹介しました、医薬情報ネットのサービスおよび、医師・学会・論文データベースを集約した新サービス「Doctorna(ドクターナ)」について、ご質問やご相談がございましたら、お気軽に下記フォームよりお問い合わせください。