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香港理工大学(以下PolyU)の研究チームによって開発されたメガネレンズは、子供の近視の進行を遅らせることができます。
実験に参加した子供達の60%が近視の進行が遅れ、21.5%は近視の進行を止めることができました。
近視を矯正するマルチ・セグメント
メガネレンズ「The Defocus Incorporated Multiple Segments(以下DIMS)」は、PolyU検眼学校のCarly Lam教授とElderly Vision HealthのHenry G. Leong教授、寄付基金教授で学長でもあるChi-ho教授によって開発されました。
DIMSレンズは、屈折異常(例: 近視、乱視)を矯正する中心光学ゾーンと、継続的に近視を矯正するマルチ・セグメントにより構成されています。このマルチ・セグメントは中心光学ゾーンを囲み、レンズの末端部分まで広がっています。
DIMSレンズは、はっきりした視覚を提供し、同時に視覚を矯正して近視の進行を遅らせることができます。
このメガネをかけた人は、すべての見える距離においてそうした効果が得られました。
この点で、レンズは「正視化」として知られる生体恒常性メカニズムを利用することで、眼球が順応し、形が変化して、正常な視覚が行っているように、焦点の合った映像を受け取ることができます。
レンズ全体で近視矯正効果が得られる
「私たちはさまざまな治療法に近視矯正光学を組み込もうと試みています。コンタクトレンズなどがそうです。通常のメガネレンズでは、目がレンズの後ろで動くことが課題となっています。ですから、レンズ全体に近視矯正光学を組み込まなければなりません。DIMSレンズを使えば、眼科用レンズの表面全体に多くのマイクロレンズを組み入れることができます。レンズのいろいろな部分にわたって目が動いても、目は継続的な近視矯正効果を受けることができます」とChi-ho教授はコメントしました。
高い近視矯正率を達成
近視と乱視の度合いが異なる160人の子供がこの眼鏡を試着したところ、DIMSレンズをかけた子供たちの近視の平均進行度合いは.38ジオプターとなりました。一方でコントロールグループは.93ジオプターでした。このメガネを使用した子供の21%は、近視の進行が完全に止まったとことになります。
ニュース元:medGadget
補足:香港理工大学プレスリリース
https://www.polyu.edu.hk/web/en/media/media_releases/index_id_6531.html