セミナーレポート/クリニックでの導入が急増中!WEB問診サービス開発医師による概況と事例紹介

新型コロナウイルスの影響により、医療業界ではさまざまな変化が求められてきました。その一つが、問診の在り方です。2021年2月、新たな問診方法であるWEB問診について、現役の医師であり開発者のflixy社CEO 吉永和貴氏が製薬企業に向けた講演を行いました。セミナーでは、flixy社が提供する「メルプWEB問診サービス」について詳しく紹介されました。

問診に要する時間を30分の1にする「メルプWEB問診」サービス

患者さんがクリニックや病院を受診した際にまず実施する問診では、病状や経過など診察に必要となる情報が集められます。紙での問診を実施する施設がほとんどですが、新しいWEB問診サービスを利用する施設も増えてきました。
flixy社では、チャット形式のWEB問診サービス「メルプWEB問診」を提供しています。

サービス開発のきっかけ

WEB問診サービスを吉永氏が開発した経緯には、紙の問診による効率の悪さを自身が体験したことにあります。

電子カルテを利用している医療機関が紙問診でカルテを管理する場合、患者さんが問診を記入した後には以下のフローが行われます。

  1. スキャンして電子カルテに取り込む…30秒
  2. 内容を電子カルテに転記する…60秒
  3. 紙問診をシュレッダーにかける…10秒

と、1問診につき約100秒もの時間を要します。たとえば、40人診察すれば4,000秒になり、1時間以上も紙問診の処理にかかってしまうのです。

紙での問診票以外に、タブレットを使った問診サービスがあります。
ですがタブレット問診も、電子カルテと連携できていないと転記が必要、連携すると高額など、クリニックや病院にとって悩ましい点が挙げられます。さらに、「紙問診やタブレット問診では、手間や費用がかかる割には十分な情報を得られないことも多かった」と吉永氏は話します。

たとえば、風邪っぽいと思い受診した患者さんに紙問診で「症状は?」と聞けば、「かぜ・喉が痛い」などと記入すると考えられます。医師は診察で、「熱は?」「咳は?」など症状の深掘りをしていきます。症状の深掘りの質問内容はほとんどパターン化されており、問診で確認できる内容も多くあるそうです。しかし、スペースの限られる紙問診1枚の中では、細かな質問までは記載できません。

紙問診で課題となっていた、「時間と手間の削減」「詳細な症状の把握」。この2つをクリアするために、チャット形式のメルプWEB問診が誕生しました。

患者さんも医療機関もWIN-WINのサービス

メルプWEB問診の最大の特徴は、チャット形式を採用していること。
医師と会話をするように、患者さんはスマホを使って選択肢で答えていき、2~3分で問診が完了します。
一見、チャットは高齢者にとってなじみのないツールのようですが、実際に使用した高齢者からは「孫とLINEをよくするから、チャット形式には抵抗がない」という声も多く、好評だそうです。

患者さんが入力した問診内容を、施設側はアプリをインストールした手持ちの端末から1クリックで電子カルテに転送できます。これまで紙問診で要していた処理時間は、約30分の1に短縮されます。連携はネットワークではなくBluetoothを利用するため、ほとんどの電子カルテとの連携が可能であり、低価格を実現しました。さらに、回答内容が自動で医療用語に変換される機能も医師にとって大きなメリットです。

問診内容を自由にカスタマイズ

診療科や医師の専門などによって、より詳しく質問したい問診内容は異なります。そのため定型ではなく、問診内容は下図に示すように、医師が自分でカスタマイズできる仕様になっています。他施設が作成する問診内容をHP上で閲覧でき、問診内容作成の参考にできるので、問診内容作成で困ることはありません。

新型コロナウイルス感染症の影響もあり、この1年で導入施設は3倍に増加し、WEB問診サービスでNo.1のシェアとなりました。さらに満足度も高く、99.8%の施設が、「継続利用していきたい」と回答しています。

利用が多い診療科や患者さんの利用率は?

メルプWEB問診の採用医療機関を診療科別に見ると、内科と小児科が多くなっています。小児科では、20~30代の若いお母さんが多くチャット形式に慣れていること、子供を連れての来院のため紙問診の記入が大変という点から、WEB問診サービスが喜ばれます。
導入施設での患者さんの利用率は、6~7割がWEB問診を利用しており、特に小児科では9割以上と好評のようです。

問診に画像の挿入も可能?

整形や皮膚科では痛むところなどを図で示した方が、伝わりやすいこともあります。メルプWEB問診には図のようにシェーマ機能を搭載しており、患者さんが疾患部位に印を付けて回答できます。さらに疾患部位の写真を撮り、問診に取り込むことも可能です。
ほか、電子署名にも対応しています。ワクチン問診機能には図のような電子署名が付いているので、これまでのように紙を保管する必要がありません。

製薬企業が貢献できることは?オウンドメディアでのサービス提供は可能?

製薬企業が医師へ本サービスを直接販売することは難しいものの、flixy社では、個人情報や施設の了承をクリアにした上で、製薬企業へのデータ提供を検討しています。

製薬企業オウンドメディア向けWEB問診がテーマのコンテンツ

WEB問診を広く知ってもらい、より有効活用してもらうために、製薬企業のオウンドメディア向けのオリジナルコンテンツを、flixy社と医薬情報ネット社が共同で制作提供しています。本セミナーでは、その内容について医薬情報ネット社の笹木氏が解説しました。

コンテンツ案は、大きく分けて以下の4つ。

  1. WEB問診による吉永氏の解説記事
  2. WEB問診の領域・疾患別運用ポイント紹介コンテンツ
  3. 患者コミュニケーションでのWEB問診活用案の紹介
  4. 実際のクリニック・病院での導入事例

具体的には、次のような内容を準備しています。

解説記事           ・医師業務を効率化するWEB問診の仕組み
・クリニックがWEB問診を導入するメリット
・WEB問診とWEB予約、電子カルテとの連携
領域・疾患別
運用ポイント紹介
・糖尿病の生活習慣の改善 患者さんが聞きたいことを選択表示に
・関節リウマチ初診は症状部位を人体シェーマとともに表示
・年齢ごとに細かく成長過程をヒアリングする発達相談問診のコツ
対患者の活用・検査/治療の紹介を上手に挟み込む問診の作り方
・高齢者向けのWEB問診の具体的な導入/活用方法 ・患者さんに伝わらない医学用語を分かりやすく伝えるには
導入事例・1時間に16名診療しているA耳鼻科医院
・LINE登録者数7500名のB小児科
・選択肢を増やし、患者の状況をきめ細かく把握するC診療内科

下図がコンテンツの展開イメージです。現場の声をどう取り込むか、実際の事例から患者の集客やアウトカムに役立つか、といった医師に役立つ情報が発信できます。

これから導入施設が増えると予想されるWEB問診の情報をオウンドメディアで配信することで、会員数や閲覧数のアップが期待されます。さらに、「ログを活用し、オンラインでMRがアプローチする」といった活用もできると考えられます。

今後flixy社では患者さん向けのアプリを4月に配信予定。「『薬をきちんと飲んでいますか』などの通知で、服薬コンプライアンス改善にも貢献したい」と吉永氏は話します。問診票から医療現場の様々な課題を解決するような、今後のサービス展開にも期待できます。


WEB問診に関するオリジナルコンテンツをご検討の方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。