より多くの医療費の支出がより良い結果を生むとは限らない

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支払った医療費が妥当だったかどうか、というのは、判断が難しいことがよくあります。
それは患者であっても医師であっても変わらないようです。
アメリカにおいて、同じ疾患であっても医療費の支出に違いがあるという調査研究が発表されました。

医療費の支出の違いの原因は

ハーバードメディカルスクールでの研究によると、アメリカ国内の3,000の病院の20,000人の入院患者を対象に医療費の支出に関して調査したところ、
同じ疾患の中での医療費の違いの8.4%が医師の治療、検査などのオーダーの違いによって説明できると発表しました。

この研究の内容を詳しく見ていくと、同じ病院内において、同じ疾患の患者を治療した際、
支出が多かった上位25%の患者は、支出が少なかった下位25%の患者に比べて40%も多く医療費がかかっていることがわかりました。

他にも、医療費の違いの約7%は、病院の違いによるものであることが判明し、
疾患を治療するという同じ目的を遂行するために、医師や病院によって支出が違う場合がよくある、ということがわかりました。

医療費の違いが結果にどうつながるのか

多くの医療費がかかった治療が、そうではなかった治療に比較して大きな成果をあげているかというと、実はそうでもないようです。
JAMA Internal Medicineに発表された別の研究では、より多くの医療費を費やしても、死亡率の低減に繋がりにくいという発表もされています。
つまり、これはより多くの医療費の支出がより良い結果を生むとは限らないということを意味しています。

ハーバード大学の保健政策担当教授であるAnupam B. Jena医師は、この結果を画家に例えています。
「二人の画家がいると思ってください。一人の画家は部屋にペイントを施すのに2時間かかり、もう一人は6時間かかります。遅い画家に仕事を急いでもらうようにお願いすることはできますが、ペイントした部屋や、 壁の色が間違ってしまう。」
結果的には部屋にペイントを施すという仕事は完遂できても、時間や費用に違いがでてしまうということになります。
この状況を最も避けなければならないとJena医師は考えています。

どのように医療の質を向上するのか

医療費における費用対効果は、治療結果で判断することももちろんできます。
その場合は、支出が少ないほうがより効果が高いと判断されます。
この場合は、医師の治療を受ける患者の立場から改善することは難しいため、医師や病院の意識の改善などが求められる部分です。
ただ、それは一つの側面でしかありません。

治療が長期間に及ぶ場合、医療の質としてクローズアップされるのは、QOL(生活の質)、そしてQALY(質調整生存年)です。
これは医療費の支出を行ったことでより良い生を得られているかどうか、ということが評価されます。
これは患者の立場から大きく改善することが可能です。

病院や医師によって医療の支出に違いがあるという現状は、QOLやQALYを向上させるという患者の立場から見た場合、医師とコミュニケーションを取ることで、患者が満足する医療を自身で選択できる可能性があるということも言えます。
医療の質を向上させるには、医師、病院、そして患者の努力が必要なのです。

出典:FierceHealthcare
http://www.fiercehealthcare.com/healthcare/study-spending-more-may-not-achieve-better-patient-outcomes

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