ブランディングの評価方法とは?検証・改善はどうすれば良いのか?

ブランディングの成功は、マーケティング施策やオウンドメディアの運営に大きなインパクトをもたらします。本記事では、ブランディングを実践した結果をもとにブランディングをどう評価すべきかといった方法や、効果の検証について解説。成功事例もあわせて紹介します。

■ブランディングの考え方や実践方法はこちら→
 企業がブランディングを行うメリットとは?実践方法もご紹介

ブランディングの評価で必要な2つの着眼点

ブランディング施策の成否を評価する上で、重要となるふたつの視点は「需要性」「差異性」の2つです。
需要性とは自社ブランドがどの程度顧客に受け入れられているのか、差異性とは他社との違いの度合いを意味します。特に大切なのは差異性の視点で、需要性が低く、広い層に受け入れられていなかったとしてもオリジナリティが強ければ熱心なファンを獲得できます。

多くの企業が、差異性よりも需要性に比重を置いた施策を実施しようとします。しかし、差別化できるポイントが少ないにも関わらず多くの顧客を獲得できるのは、元からのブランド力や販売チャネルに優れる大企業に限られます。そのため、自社のブランディングの評価を行う際には、まずは差異性を注視しましょう。

ブランディング評価の2つの指標と測定方法

ブランドロイヤリティの測定方法

ブランドロイヤリティとは、顧客がブランドに対して感じる愛着・親近感の度合いを指す言葉です。ブランドロイヤリティが高いほど、リピート率・口コミ数などの増加に繋がります。ブランドロイヤリティの測定方法としては以下の通りです。

1. NPS(Net Promoter Score)

NPS(Net Promoter Score)とは、ブランドに接した人の「第三者へのおすすめ度」を指標化した数値です。NPSは「商品・サービスをどの程度友人に勧めるか?」という質問に対し、0〜10の評価で回答してもらい、回答者を以下のように振り分けます。

<NPSにおける解答者の分類>

  • 10〜9…ブランドの推奨者
  • 8〜7…ブランドの中立者
  • 6〜0…ブランドの批判者

NPSでは、調査対象全体の推奨者の比率から、批判者の比率を差し引いた数値を指標とします。例えば、推奨者が全体の7割、批判者が1割いた場合は「NPS = 60」となります。NPSは「-100〜100」の間で推移し、数値が100に近いほど、ブランディングのブランドロイヤリティ効果は高いと判断できます。

2. DWB(Definitely Would Buy)

DWB(Definitely Would Buy)とは、顧客の「商品を買いたい」というニーズを数値化したもので、以下の5段階に振り分けます。

<DWBの評価段階>

  1. 絶対に買いたい
  2. 買いたい
  3. どちらでもない
  4. あまり買いたいとは思わない
  5. まったく買いたいとは思わない

DWBでは、ひとつの商品に対して、上記の消費者アンケートを実施し、全体で見た「絶対に買いたい」の割合が多いほどブランドロイヤリティが高いと言えます。

ブランド認知の測定方法

ブランド認知とは、見込み顧客に自社のブランドがどのくらい知られているのかを示す「認知度」を測る指標です。ブランド認知の測定方法は、主に自社のWEBサイトやLP(ランディングページ)を訪れたユーザーの行動、SNSでのエンゲージメント数を分析して行います。

トラフィック数の集計

トラフィック数とは、WEBサイトへのアクセス数の総数です。トラフィック数のうち、URLを直接入力して訪れたユーザーの数を示す指標をダイレクトトラフィックと言います。ダイレクトトラフィックの数値を見ることで、マーケティング施策がどの程度の効果を出しているのかを推測できます。

■トラフィック数の分析などGoogleアナリティクスの使い方はこちら→
 オウンドメディア担当が知っておくべきGoogleアナリティクスの基本的な使い方

SNSにおけるエンゲージメント数の集計

SNSにおけるエンゲージメントとは、自社のアカウントに対する他の「いいね」「リツイート」「返信」などのリアクション数を定量化した数値です。SNSを使ったブランディングでは、エンゲージメント数の推移を見て、ブランド認知がどのくらい広まっているのかを測っていきます。

■各SNSの特徴や活用方法についてはこちら→
 製薬企業はソーシャルメディアをどう活用していくべき?各SNSの特徴をチェック

継続的なブランディング評価に必要な考え方

ブランディング評価は中期目線で行う

ブランディングの内容を具体化し、マーケティング施策に落とし込んで実行したにも関わらず、すぐに売上に繋がらないケースは多くあります。しかし、一度マーケティング施策が失敗したからといって、安易にブランド戦略のせいにしてはいけません。売上が上がらない原因がマーケティング施策にあるのか、それともブランディングにあるのかを切り分けて考えなければブランドは定着しないでしょう。

ブランディングの目的とは、事業戦略とマーケティング施策を結びつけ、社内リソースを効率よく活用するための軸を作ることです。ブランディングの評価では中長期的な目線を持ち、安易に戦略レベルから話を覆さないようにしましょう。

マーケティング施策のPDCAサイクルは短期的に行う

PDCAとは「Plan(計画)「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字を取ったフレームワークで、施策の評価手法です。ブランディングは中長期で固定した上で、自社のブランディングプランを反映したマーケティング施策評価のPDCAは、短期的に行っていく必要があります。

ブランディングの成功事例集

事例①タニタ

タニタは、もとは健康器具を製造・販売する企業で、「人々の健康づくりに貢献する」というコンセプトを掲げブランディングを実施しました。健康に配慮した社員食堂で認知が広まり、レシピ本の販売や一般向けの「タニタ食堂」の出店を果たしています。また、Twitterでのユーモアあふれる投稿やユーザーとのやり取りが話題となり、多くのファンを獲得しています。

事例②スターバックスコーヒー

スターバックスが掲げるブランドコンセプトは「人々の心を豊かで活力あるものにするために— ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」というコピーに現れています。家でも会社でもない非日常だけど落ち着ける空間、「第三の場所(サードプレイス)」という考え方を世に広めました。コーヒーを提供するカフェとしてだけではなく、人々のコミュニティとなる「場所」を提供することで、競合他社との差別化に成功し、価格競争から脱しています。

事例③無印良品

無印良品は「自然と。無名で。シンプルに。地球大。」という企業理念をもとに、エッジを立てない、ミニマルでシンプルなデザインの商品展開をしています。企業理念に基づく商品なら幅広く取り扱っており、ブランドコンセプトと低価格が両立した商品で、ユーザーに「これがいい」ではなく「これでいい」を提供することを目指しています。無駄のないシンプルなデザインはどんなライフスタイルにも溶け込み、多くの人に受け入れられました。

ブランディング評価はマーケティング評価を切り分けて行うのが重要

ブランディングの評価は、ブランドロイヤリティ・ブランド認知などの指標をもとに行います。しかし、短期でブランディングの効果が出ていなかったとしても、その原因がブランディング戦略そのものにあるとは限りません。上記の成功事例を見ると、どの企業もブランド戦略がブレず、ずっと一貫しています。その一貫性が「らしさ」となって私たちに蓄積されているのです。ブランディング戦略は中長期視点、それを広めるためのマーケティング施策は短期間でPDCAを回すことを意識し、両者の評価は切り分けて考えましょう。


【参考】
・デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール(MarkeZine BOOKS)
・ブランディング戦略「手法と評価方法」のまとめ~ブランド戦略の効果を成功事例から読み取る/imajina
https://www.imajina.com/brand/entry/838
・効果が見えづらいブランディングでは何を指標にするべきか?/EDiT
https://edit.roaster.co.jp/business/5343/
・ブランドロイヤリティとは|8つの向上手法と評価指標を徹底解説/Misson Driven Brand
https://www.missiondrivenbrand.jp/entry/kaitai_brandloyalty
・【最新版】ブランド認知完全ガイド/HubSpot
https://blog.hubspot.jp/brand-awareness
・【事例6選】ブランディングの成功・失敗事例から見えてきた成功ポイントとは?/Qeee
https://qeee.jp/magazine/articles/7844
・ブランディングの成功事例集~企業・地域・採用の戦略から失敗事例まで/imajina
https://www.imajina.com/brand/entry/822
・無印良品の「これでいい」ブランドコンセプト/BRANDINGLAB
https://www.is-assoc.co.jp/brandinglab/muji-concept