医薬品デジタルマーケティングへの提言 Vol.3「これからの製薬企業は、戦略の方向性を失わず、かつ現場で迅速に意思決定ができるデジタル体制の構築が必要」AKTANAゼネラルマネージャーロバート・ウィルソン氏&副社長脇田宏之氏に聞く

市場データ、デジタルチャネル活動、医師の嗜好や傾向などから、営業の的確な意思決定を支援するAKTANA。同社のゼネラルマネージャーロバート・ウィルソン氏&副社長脇田宏之氏は、製薬企業の営業、マーケティング活動の現状に関し、「現場とそれ以外のチャネルを一体化し、戦略の方向性を活かしつつ、現場で迅速な意思決定ができるデジタル体制の構築が必要。現場の情報を一つ一つ本社に上げて分析するのでは、時間も、バイアスもかかる」と指摘。製薬企業の競争ステージが、情報収集から情報分析のスピードに移行していることを示唆した。そのために必要になるのが、MRを主体とする現場のデジタル機能の強化。両氏のインタビューから、今後の製薬ビジネスの方向性を展望する。

コロナ禍において、製薬企業の営業やマーケティング活動はどのように変わっていくと見ていますか?

これまで医療用医薬品のマーケティングチャネルは、MRとそれ以外で構成されていた。戦略もMRとそれ以外で分けられ、CRMといったIT支援ツールも機能が分かれていた。

コロナ禍の現在、MRがメインだとしても、訪問規制が続くことを考えると、現場任せだけでは立ち行かなくなる可能性がある。現場から上がってくる情報と他のチャネルから得られた情報をリアルタイムですり合わせ、営業方針やマーケティング戦略に逐次反映させるアクティビティが求められる。

これまでは現場の情報を1ヶ月先にすり合わせるようなケースもあったが、今後は、MR活動やMRから得られる情報がブラックボックスでは成立が困難になる。迅速にフィードバックすることがPDCAで重要な位置づけになってくる。

ワクチンや治療薬の完成後の姿は?

「従来のマーケティング活動、営業活動に戻れるだろう」と考える会社もいらっしゃるかもしれないが、医師や医療機関が対応しない。医師がMRに不用意に会うことはなくなるであろう。顧客ニーズを考えると、MRとそれ以外のチャネルで分けてビジネスを考えることは現実的ではない。現場以外のチャネルを早急に充実させ、MR活動と一体化させることが、企業の競争力を左右する。コロナにより、この流れが加速化した。

MR支援で求められる機能に変化は?

AKTANAはMRの営業活動を適切化する機能が多い。当然だが、コロナ禍では医療機関への訪問を促すサジェスチョンは減っている。代わりに、医療機関や医師あるいは患者さんに起こっている大事なことを伝える「インサイト」機能の支持が高まっている。簡単に面談することが難しいので、MRの情報武装が重要になる。ただ、単純に情報を通知するだけではMRは動いてくれないので、「こういうことが医療機関で起きているので、これをしたらどうか?」と、MRをモチベートしている。

例えば、充実した学会情報のタイムリーな提供、あるいは販売情報の変遷や変化の「兆し」を捉えた情報をインサイトとして伝えることで、医師との面談のきっかけ作りをサポートしている。メールやWebコンテンツのトランザクションから抽出した医師の関心・課題に関するインサイトも人気が高い。

コロナ禍で医師のデジタル空間でのアクティビティが増えていることが背景にあるが、各社、プッシュ型の情報提供から抜け出せていない側面も見え隠れする。デジタルへの投資を拡大し、メールやWeb面談などのMRのデジタル活動を強化しているが、一方通行の情報提供は受け手に「デジタルハラスメント」と映りかねない。医師の働き方改革の流れでデジタル可処分時間が減る傾向に元々あった傾向も見逃せない。情報を取捨選択した上で適切なタイミングでのみMRに通知することで、顧客にとって価値のある情報提供ができると考えている。

デジタルチャネルの構築がこれからという企業はどうすべきでしょうか?

メールやWeb面談など現場以外のチャネルを持たない企業からの問い合わせが増えている。ただ、デジタルツールやITプラットフォームを構築することも大切だが、情報提供の核となるコンテンツの更新頻度を高めることがもっと重要になる。対面では1つのメッセージを基にMRが様々なコミュニケーションを展開できるが、デジタルでは1つのコンテンツで限られたメッセージしか提供できない。次のコンタクトで同じコンテンツを提供できないので、コンテンツを継続的に提供するには、単純に更新頻度を高める事が求められる。

その上で、①コンテンツを通じてメッセージを発信、②デジタルチャネルの挙動や現場からのフィードバックを確認、③コンテンツやメッセージを修正、といったサイクルを高回転で回す仕組み・体制を整える必要がある。現場以外にチャネルを持たない企業の場合、メッセージ発信を現場任せにする場合も多いが、一方通行の情報提供にならないデジタルコンテンツの活用・改善が求められる。

MRの役割に変化は?

デジタルマーケターとしての役割が必要になる。現場の情報とデジタルの情報をリアルタイムにすり合わせ、医師とのコミュニケーションへ生かしていくには、デジタルマーケティングの機能がないと成立しない。現在、MRは地域ごとに担当分けされるケースが多いが、今後は、医師が情報を知りたいときにプル型情報を提供するデジタル担当のMRがそうした役割を担っていくと考える。全員が地面を担当に持つ時代では無くなりつつある。

地域ごとにデジタルマーケティングを担当するMRを配置し、現場が収集した情報とデジタルチャネルの情報をリアルタイムで分析し、次の営業活動に活かしていく。現場の情報を一旦本社に上げるのでは時間もかかり、バイアスが入る可能性もある。現場にデジタル機能を持たせることが必要だ。これまで製薬企業は、顧客に関する様々な情報を収集することに注力してきたが、これからは情報収集に加えて、情報分析のスピードが企業の競争力を左右するようになる。

エッヂコンピューティングのように現場で得た情報をその場で分析し処理する。データを“地産地消”することが、競争力を高めるわけですね。AKTANAはどのように対応していきますか?

全てのチャネルでのエグゼキューションサポートを重視していく。これまでMRがアポを取り、現場でしっかり情報を伝える活動をサポートしてきた。実践的なエグゼキューションに落とし込むノウハウが我々の強み。今後は、現場とデジタルチャネルでの営業活動を最適化するために、カスタマージャーニーに基づいて顧客の情報ニーズやインサイトを分析し、プッシュ&プルの活動を支援していく。顧客が何を求めているのか、そのシグナルを把握し、ジャーニーを前進させるために、MRが訪問するのか、デジタルでアプローチするのか、エグゼキューションプランを提案していく。オウンドメディアやマーケティングオートメーションとの連携も重要になっていくだろう。

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